ヤマハ FZ1
ヤマハ FZ1

ヤマハ FZ1 – R1の血を引くスポーツネイキッド

掲載日:2011年06月23日 試乗インプレ・レビュー    

ヤマハ FZ1の試乗インプレッション

ヤマハ FZ1の画像

胸のすくような上昇感と
R1譲りのハンドリングが魅力

FZ1もデビューから早5年が過ぎ、正直なところ見慣れた感もあるが、よくよく見ると今でも斬新。デザインされた異形のモノライトや盛り上がりとくびれにメリハリのあるボディライン、コンパクトなショートサイレンサーなどヤマハらしい繊細でスマートなスタイリングが目を引く。

跨ってみると、まずポジションのコンパクトさに驚く。同社のビッグネイキッド、XJR1300に比べるとふた回りは小さく圧倒的に軽い。特にハンドルが近いのがいい。例えるなら、ハンドル位置の高いR1に乗っているような感じだ。懐に余裕が生まれてハンドル操作が楽になるため、Uターンなどもしやすい。ちなみにハンドル切れ角はもう少し欲しいところだが……。

走り出すとまた軽い。交差点をヒョイと曲がるような低速域から、首都高のカーブで車体を傾けて曲がっていくような速度域まで、すべての速度レンジでマス(重量)を感じさせないナチュラルな軽さがあるのだ。リッタークラスともなれば通常はエンジン搭載位置やタンクの下あたりに重心の塊のようにものを感じるものだが、FZ1はそうした重さを意識することなく倒し込める。この感覚もやはりR1に似ている。

ヤマハ FZ1の画像

FZ1の素性を知るには車体のディメンションにも注目したい。コンパクト化を図ったR1譲りの3軸配置のエンジンを前寄りに搭載することでフロント荷重を稼ぎつつ、一方で639㎜というロングスイングアームと1460㎜のショートホイールベースによって安定性と旋回力を両立するなど、一見してスポーツするための車体作りであることが分かる。ライダーの着座位置もネイキッドにしては前寄りで、前傾したエンジンとも相まってフロント荷重を積極的にかけながら旋回力を引き出していくタイプであることは明白だ。

元気のいいエンジンも魅力だ。R1譲りの5バルブはもともと吸気効率を高めるための機構で、排気デバイスのEXUPとの組み合わせにより、胸のすくような加速感が味わえる。ちょうど7000rpmあたりから、吸気音の高鳴りとともにターボ感覚で針が踊る上昇感はFZ1ならではだ。もちろん、リッタークラスなので中速トルクも十分。高めのギアセレクトでボーッと流すのも気持ちいい。その一方で極低速ではやや線の細さが気になることもあった。

ヤマハ FZ1の画像

前後サスはしっとりとした落ち着きの中にもストローク感があって、スロットルのオン・オフによる姿勢変化もスムーズだし、ブレーキも効力の立ち上がりがリニアでコントローラブル。高速巡航も大型のヘッドライトが作り出すエアカーテンの恩恵もあって、意外に楽だった。ワインディングを含めたショートツーリングなら十分快適にこなせるだろう。

ABSも先進の電子デバイスも持たないが、バイク本来のスポーティな乗り味とすっきりとしたシンプルさを求めるライダーにはおすすめしたい1台だ。

ヤマハ FZ1の詳細写真は次ページにて

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