カワサキ ZRX1200R
カワサキ ZRX1200R

カワサキ ZRX1200R – 力強さがにじみ出るスタイル

掲載日:2008年12月04日 試乗インプレ・レビュー    

構成/バイクブロス・マガジンズ編集部

カワサキ ZRX1200Rの試乗インプレッション

カワサキ ZRX1200Rの画像

乗りやすさの中に感じる
骨太のパワーフィール

見た目と実際のギャップに驚くというのは良くあることだが、ZRX1200Rもまさにそんなバイクだ。「男カワサキ」を感じさせる迫力あるスタイルに試乗するまで尻込みしていたが、実際に走らせてみるとこれが意外なほど乗りやすいのだ。1,164ccの水冷ユニットは非常に扱いやすく、適度なゆるさのあるレスポンスでストップ&ゴーの多い街中でもギクシャクしにくく、高速走行では余裕のある排気量とパワーで余裕のクルージングが可能。今回の試乗ではタンデムでの走行も行ったが、タンデムシートの座り心地は良好とのこと。トルクが太くフラットに伸びていくため、2名乗車時でも安定した走行が楽しめるだろう。また、足つき性が非常によく、身長174cmの筆者の場合地面に両足がべったりつくため、停車時の不安も皆無だった。車体サイズも他のリッターネイキッドに比較するとコンパクトになっており、見た目からは想像できないほどフレンドリーで乗りやすく、何より快適だ。

カワサキ ZRX1200Rの画像

だからといって、パフォーマンスを感じさせないわけではない。常識的なスロットル開度ではジェントルな乗り味だが、一度大きく開けていけばゴリゴリとした力強い加速を見せつけてくれる。面白いのは、いまどきのバイクのような「気が付けばすごい速度」ではなく、加速していく高揚感がライダーにしっかりと伝わってくるのだ。スロットルの重みとともに太いパワーが立ち上がっていく感覚は、キャブレターモデルならではの味わいと言えるだろう。乗りやすくて、わかりやすい。その上でビッグバイクらしいパワーを提供してくれるため、街中から高速道路まで、ステージを選ばずにライディングを満喫できるのだ。乗り始める前にあった遠慮はどこへ行ったのやら、乗った後はソロからタンデムまで心置きなく楽しむことができた。性能過多でライダーを置き去りにするパフォーマンスではなく、乗り手と直結した手触り感のある高性能こそ、ZRX1200Rならではの魅力かもしれない。

こんな方にオススメ

初心者からベテランまで楽しめる
マルチな才能を持つネイキッド

ZRX1200Rは多才なバイクだ。足つきがよくコンパクトなため街中でも扱いやすく、ハイパワーなエンジンとビキニカウル、各種ユーティリティでツーリングにも使いやすい。一人で乗っても遊べるし、タンデムライドも十分にこなしてくれるので、これ1台で何でもしたいという方におすすめできる。もちろん、Z1000Rゆずりのルックスに惚れたらそれもアリ。他のネイキッドと違い過剰なメッキを廃したスタイルは、まさに男のバイクといった雰囲気だ。迫力あるルックスのライムグリーン・モンスターは、見た目で選んでも性能で選んでも満足できる、高い実力を持っている。

総合評価

見た目だけでは分からない
性能と利便性の好バランス

ZRX1200Rは、外見から走りを重視したバイクと思われるかもしれない。それは決して間違っていないのだが、同時に使いやすさや乗りやすさを兼ね備えたバイクでもある。むしろ今回の試乗では、バイクとしての素直な扱いやすさと、考えられた利便性に感銘を受けた。最近のバイクは市場の要求もあって、ライダーの技量を超えて高性能になりがちな傾向がある。悪いことではないのだが、一人の乗り手としてもう少し日常的に楽しめるバイクが欲しいというのも偽らざる気持ちだ。ZRX1200Rは、ビッグネイキッドとしての走る楽しみを持ちつつ、ライダーに対する優しさを忘れていないバイクだ。しかし、残念なことに、今回試乗したキャブレター仕様は生産を終え、新車で手に入るのは店頭在庫のみとなる。後継モデルとなるZRX1200DAEGは期待の1台だが、このモデルならではの良さは捨てがたいものがある。もし機会があれば、キャブレター仕様のZRX1200Rを一度体験して欲しい。性能と利便性が調和された、心躍るライディングフィールを味わえるはずだ。

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