カワサキ ZRX1200R
カワサキ ZRX1200R

カワサキ ZRX1200R – 力強さがにじみ出るスタイル

掲載日:2008年12月04日 試乗インプレ・レビュー    

構成/バイクブロス・マガジンズ編集部

カワサキのイメージを牽引する
骨太なネイキッドスポーツ

1990年代、ゼファー400がきっかけとなったネイキッドブームに、一石を投じたモデルがZRXシリーズだ。1980年代に先鋭化したレーサーレプリカたちとは反対に、テイストを重視されていたネイキッドが多くラインナップされる中、1994年に登場したのがZRX400。カワサキのネイキッドと言えば乗り味に定評あるゼファーが有名だが、ZRX400は明確にパフォーマンス志向となったスポーティなモデルで、1980年代前半のAMAスーパーバイク選手権のイメージを色濃く投影した外見が特徴的。メッキをはじめとしたヒカリモノを極力廃したストイックで筋肉質なスタイルで、男カワサキのイメージで高い人気を博した。

カワサキ ZRX1200Rの画像

そして1997年、当時の国内向けフラッグシップであったGPZ1100のエンジンをベースに、大排気量モデルであるZRX1100が登場した。ハイパフォーマンスなモンスターネイキッドとして、大いにバイクシーンをにぎわしたのは記憶に新しい。そして2001年、エンジンを1,164ccにスープアップし、ZRX1200へとモデルチェンジ。この際にハーフカウル付きのモデルがラインナップされ、ビキニカウル仕様はZRX1200R、ハーフカウル仕様はZRX1200Sという名称へと変更された。カワサキのパフォーマンス系ネイキッドとしての地位は不動で、その後熟成を重ねて2008年度まで生産が続けられた。しかし、強まる排気ガス規制のあおりうけ、先ごろついに生産が終了。既に次世代ZRXとしてインジェクションを採用した「ZRX1200DAEG」が2009年2月に発売されるとの発表があったが、今回幸運にもキャブレター仕様の最終モデルに試乗する機会があった。一時代を築いたビッグネイキッドの走りを、じっくりと体感してみたい。

カワサキ ZRX1200Rの特徴

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力強さがにじみ出るスタイルと
ユーザーフレンドリーな装備類

ZRX最大の特徴は、なんといっても往年のAMAスーパーバイク選手権のレースマシンを思い起こさせるスタイルだ。モチーフとなったのは、1981年にチャンピオンとなったエディ・ローソンを記念した「Z1000R」。ビキニカウルにホワイトを基調としたボディのライン、タンク別体式リアサスペンションなど、当時をしのばせるスタイルは魅力的だ。最近のバイクに多く見られるスマートで曲線的なデザインではないズ太く直線的な造形は、筋肉質で男らしい雰囲気がある。バイクをねじ伏せながらレコードに挑戦していた古き良き時代をほうふつとさせるそんな力強いスタイリングにひかれて、ZRX1200Rを選ぶライダーは今も多い。とはいっても、ZRX1200Rは「当時」ではなく「現代」のバイク。今のライダーに必要とされる装備が充実しているのも特徴だ。足付きがよくタンデムもしやすいシートに、十分な容量の収納スペース、使いやすいグラブバーやツーリング用フックなどの快適装備もしっかりと備えられている。

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もちろん、パフォーマンス系ネイキッドということで、走りの装備が充実していることも見逃せない。70kW(95ps)/7,500rpmを発生する水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブエンジンを、高剛性なダブルクレードルフレームに搭載。足回りは前後フルアジャスタブルサスペンションに、アルミスイングアームを採用。ブレーキもフロントに6ポットキャリパーがおごられており、高い走行性能を実現している。男らしい出で立ちの中には、気遣いが行き届いた快適性能だけでなく、スポーティでハイスペックなパーツが備わっているのだ。

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個性的なビキニカウルを装着

ZRXシリーズの代表的特長とも言えるビキニカウル。70年代後半から80年代初めごろの市販車レーサーを思わせる雰囲気を漂わせている。コンパクトなサイズながらも適度な防風効果があり、高速クルージングでの疲労を低減。快適な走行に役立っている。

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ハイスペックなブレーキシステム

フロントブレーキは310mm径のダブルディスクに、トキコ製6ポットキャリパーを採用しており、確実な制動力を発揮。高速域から街中まで、安定したブレーキングを楽しめる。リアには250mm径ディスクと同じくトキコ製の対向2ポッドキャリパーを採用。

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足付きもクッション性も良好なシート

着座部の両サイドが絞り込まれているため、足つき性はかなり良い。身長174cmの筆者だと両足がべったりとつくほどだ。また、パッセンジャーシートの座り心地も良く、グラブバーも標準で付いているため、タンデムツーリングを楽しむことも容易だろう。

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充実のシート下収納スペース

一般的にバイクは収納スペースが少ないものだが、ZRXは例外。深さのあるシート下収納スペースのほか、フタ付きの小型ボックスも内蔵している。書類や小型ロックはボックスに、レインウェアは収納スペースに、といった使い分けをすることも可能だ。

カワサキ ZRX1200Rの試乗インプレッションは次ページにて

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