

掲載日:2008年11月27日 試乗インプレ・レビュー
構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
グリーゾ8Vは、良くも悪くも個性的なバイクだ。走りを楽しむライダーにとってこれほど面白いバイクは無いが、ちょっとした街乗り程度の使い方では本当の良さが見えてこないのも事実。カッコいい足として、というなら別のバイクがオススメだ。唯一無二なルックスに惹かれたら、ぜひ一度この走りを試してみてほしい。エンジンをかけたときから伝わってくるグリーゾ8Vのテイストが、きっと貴方の背中にゾクゾクとした興奮を伝えてくれるはず。このバイクは、他には変えられない強烈な個性と魅力を持っている。もしハマってしまえば、きっと抜け出せないほどの面白さを体感させてくれるだろう。
これまでに何台かモトグッツィに乗ってみて、「言われるほど強烈ではない」と思っていた印象は、グリーゾ8Vによって完全にひっくり返されてしまった。世間でいう乗りやすいバイク、というものにはきっとこれは当てはまらない。しかし、そもそもバイクは誰にでも優しい乗り物だったのだろうか。確かに、快適で乗りやすいバイクは魅力的だが、言い換えれば牙を抜かれてしまった存在と言えないだろうか。グリーゾ8Vには、現代のバイクたちが無くしてしまった野性が、確実に存在している。走る度にバイクから挑まれ、それに対してライダーが全力で応えていく、そんな緊張感のある関係は心地よいものだ。あれから他のバイクにも乗ったが、グリーゾ8Vほどゾクリとくるものはない。スペック的に上回るものは数多いが、あの興奮を与えてくれるものとなると限られてくる。車両を返してしまった今も、手に伝わるクワトロバルボーレの鼓動と、耳に残るあのエキゾーストノートは鮮烈に思い出せるほどだ。飼いならされていないバイクに乗りたいなら、グリーゾ8Vは愛車選びのリストに入れておいて損は無いだろう。あの背中を駆け巡るような興奮を、できれば一度体験して欲しい。
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