掲載日:2008年10月09日 試乗インプレ・レビュー
構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
CBR1000RR最大の特徴は、なんといっても強力なパワーを生み出す水冷DOHC4バルブ4気筒エンジンだろう。徹底的な軽量化とコンパクト化の結果、前モデルに比べエンジン単体で2.5kgの軽量化を実現。シリンダースリーブにはNi-SiC(ニッケル-シリコンカーバイド)表面処理を施しフリクションを低減、高回転化に対応している。さらに、2006年に世界チャンピオンを獲得したmotoGPレーサー「RC211V」からフィードバックされたアシストスリッパークラッチを新たに採用。高回転からのシフトダウン時の後輪ロックを抑え、クラッチレバーにかかる荷重軽減にも貢献している。また、運動性能を追及するため、徹底したマスの集中化を図ったほか、RC212Vで培ったエアロダイナミクスフォルムを継承。マフラーは車体下部に配置され、ウインカーはミラーに埋め込まれるなど、性能を凝縮したスタイリングになっている。フレームは新開発の4分割タイプアルミダイキャストフレームとし、車体のコンパクト化と高剛性化を達成。足回りも俊敏で扱いやすいハンドリングを実現するため前後ともリファインされており、特にリアは従来型に比べ12mm長い新型スイングアームを採用。トラクションをより向上させている。
CBR1000RRは、レースからフィードバックされた最新技術の集大成と言っても過言ではない。以前より研ぎ澄まされたスポーツ性能を与えられていたが、今回のフルモデルチェンジでさらなる高みに達している。市街地からサーキットまで視野に入れた、まさにロードゴーイングレーサーの完成形。国内最高峰に位置するモデルとしてのプライドを感じる造り込みは、このマシンにへのホンダの熱い思いを感じさせてくれるだろう。