ホンダ CBR600RR(2013)

掲載日:2015年03月02日 バイク購入ガイド        件のユーザーレビュー

文/杉山 研二

ホンダ CBR600RR(2013)の画像
HONDA CBR600RR(2013)

シャープなニューカウリングを採用
レース技術を投入したミドルスーパースポーツ

『CBR600RR』は、数々のレース由来の技術が投入される一方でレース車両のベースとしても使われる、ミドルクラスのスーパースポーツモデルです。2013年のモデルチェンジではカウリングの設計が一新され、またビッグピストンフロントフォークや新デザインの12本スポークホイールなども採用されました。600クラスの国産スーパースポーツとしては現在唯一の国内仕様モデルです。いわゆる逆輸入モデルではなく、ホンダが国内市場向けに生産し、販売している車両です。

スタイリングは、マスの集中化を前面に出しながらスピード感や躍動感も盛り込んだフォルムとなっています。フロントカウルは、MotoGPのレースシーンから軽量化とエアマネジメントの技術をフィードバックし、空気抵抗の低減と冷却効率を追求した形状に。また、エンジンの熱がライダーに向かって巻き込まないようにも配慮しています。フロントノーズ下のチンスポイラーは空気流解析で見出したデザインで、この形状が卓越したハンドリングに寄与します。

エンジンはパワーフィールとトルク感、レスポンスを求めながら、常用域でも扱いやすい599ccの水冷直列4気筒です。1気筒あたり2つのインジェクターを持つシーケンシャル燃料噴射システムを採用し、低回転から高回転まで最適な燃焼を実現しています。またカウル前面からエアクリーナーボックスへ大量の空気を送り込むダイレクトエアインダクションシステムですが、そのラムダクトの形状見直しで高回転域のトルク特性を向上させています。

車体カラーはロスホワイト(116万2,080円)とグラファイトブラック(112万9,680円)の2種類をラインナップ。また電子制御コンバインドABS搭載車も用意され、こちらは133万4,880円(ロスホワイト)と130万2,480円(グラファイトブラック)となっています(価格はすべて消費税8%込み)。

ホンダ CBR600RR(2013)のここがポイント!
  • ● チンスポイラーを採用したフロントカウル
  • ● ラムダクト形状を改善したパワーユニット
  • ● 12本スポークのアルミキャストホイール

ホンダ CBR600RR(2013)のライバルはこれだ!

  • カワサキ
    ニンジャ ZX-6R ABS

    低中回転域のトルクを強化した排気量636cc水冷並列4気筒エンジンを搭載。切り替え可能なトラクションコントロールとパワーモード、インテリジェントABSなど最新技術も満載。

  • スズキ
    GSX-R600

    最高出力92.5kWのコンパクトな水冷並列4気筒エンジンを搭載。出力特性を選択可能なS-DMSやビッグピストンフロントフォーク、ブレンボモノブロックキャリパーなどを採用。

  • トライアンフ
    デイトナ675 ABS

    アルミのツインスパーフレームに排気量675cc並列3気筒エンジンを搭載するスーパースポーツ。シリンダヘッドにチタニウム製のバルブや軽量バルブスプリングを採用して高性能化。

ホンダ CBR600RR(2009年12月15日掲載)

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HONDA CBR600RR

サーキット走行も視野に入れた
ハイパフォーマンス・ミドルスポーツ

現代のスーパースポーツは、大別すると2種類の排気量に分けられるのはご存知でしょうか。これはレースカテゴリに左右されており、世界スーパーバイク選手権のベースとなる1000ccクラス、そして世界スーパースポーツ選手権のベースである600ccが現在の分類です。その中でも600ccクラスは保険等の関係からヨーロッパ市場で大きな人気を誇っており、そこへホンダが投入しているモデルが「CBR600RR」となります。元々このカテゴリが盛り上がるきっかけを作ったのは先代モデルとなるCBR600Fだったのですが、レース人気の過熱によってストリート向けだった同モデルの戦闘力に限りが見えてきたため2003年にフルモデルチェンジを敢行。MotoGPマシンの技術を積極的に投入した「CBR600RR」をデビューさせました。先代モデルと違い、サーキット走行を明確に視野へと入れたこともあり、走りは一気にスポーティなものへと生まれ変わりました。とは言え、先代までがもっていたストリートスポーツとしての扱い易さも決して失ってはおらず、国内仕様としては唯一の600ccスポーツとして幅広い層のライダーから支持を集めています。また、開発当初から先進技術を積極的に取り入れてきたCBR600RRですが、電子制御式ステアリングダンパー「HESD」や電子制御式コンバインドABSといった装備が投入されており、ホンダのテクノロジーの進歩を窺い知ることのできるマシンとも言えます。

中古車在庫は人気モデルだけあって豊富で、最新装備にこだわらなければ比較的リーズナブルな価格で入手が可能です。スーパースポーツモデルは2年ごとに仕様が大きく変わるのが通例となっているため、2005年・2007年・2009年である程度価格帯が固定されているのも特徴。大きな差としては、2005年式から倒立フォークとラジアルマウントキャリパーが採用されており、2007年式では圧倒的な乾さ (乾燥重量155kg)のほか、ラジアルポンプマスター、HESDの採用、新設計カウルへの変更などシリーズ最大の変更が行われています。なお、ABS付きについては2009年からとなるため、中古車市場での在庫はあまり多くありません。特別仕様としては限定色がいくつか設定されていますが、最も注目しておきたいのは2007年のコニカ・ミノルタカラー。MotoGPマシンをイメージしたカラーリングは、ファンなら見逃せない仕上がりです。受注期間限定モデルだっただけに、見つけたら早めにアクションを起こすことをおすすめします。

年式で見る ホンダ CBR600RR

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2003年モデル

レース参戦を視野にいれCBR600Fよりフルモデルチェンジ。当時のMotoGPマシンであるRC211Vの技術を取り入れただけでなく、シルエットも近似したものとなっている。輸出仕様だけでなく国内向けモデルも設定され、現在に至るまで唯一の国内仕様600ccスポーツとしての座を守り続けている。

  • ● コンセプトは“Innovative Wonder”
  • ● MotoGPマシンで培った先進技術とスタイリングを積極的に採用
  • ● 国内仕様としては唯一となる600ccスーパースポーツ

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2005年モデル

CBR600RRとしてはじめてもモデルチェンジとなる2005年式より、フロントフォークが従来の正立式から倒立式に変更。それにあわせてフロントブレーキもラジアルマウントタイプとなった。また、カウルデザインもRC211Vデザインを踏襲。車体はフレームなどの見直しで6.5kgの軽量化を実現している。

  • ● フロントフォークを倒立タイプに変更。ブレーキはラジアルマウントに。
  • ● カウルはRC211Vデザインを取り入れ、スクリーンやエアダクトなどが変更された。
  • ● メインフレームを中心に6.5kgの軽量化を実現。マスの集中化をすすめる。

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2009年モデル

2007年にフルモデルチェンジを行ったCBR600RRはクラス最軽量の乾燥重量155kgを達成。また、新型ホイールや電子制御式ステアリングダンパーの採用など変更点は非常に多く、高い戦闘力を実現している。スポーツモデルのために開発された世界初の「電子制御式コンバインドABS」は2009年度からの導入。

  • ● クラス最軽量となる乾燥重量155kgを達成するとともに、マスの集中化を徹底。
  • ● 電子制御式ステアリングダンパー「HESD」を採用。
  • ● 2009年より電子制御式コンバインドABSを設定。

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