

掲載日:2008年09月11日 試乗インプレ・レビュー
構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
期待に胸を高鳴らせつつVツインエンジンに火を入れると、軽く身震いしてV7クラシックは目を覚ます。フューエルインジェクションによる始動性は良好で、早朝でもセルボタンの一押しでエンジンに火が入る。アイドリング時のエキゾーストノートは750ccクラスとは思えないほど低く、それでいて耳に心地よい音質だ。ゆっくりとスロットルをひねって走り出せば、豊かな低速トルクとともに美しい音色を奏でてくれる。Vツインの振動はとげとげしいものではなく、まろやかといっていいほどのバイブレーション。心地よい低音とあいまって、非常に甘やかな鼓動を伝えてくれるため、走り出すと「足を着きたくなくなる」ほどだ。
もちろん、ただテイストが良いだけはない。細めの前後タイヤが生み出すコーナリングは軽快で、ライダーのアクションにあわせて気持ちよいリーンを楽しめる。ブレーキは前後ともシングルローターだが必要十分で、どれくらいブレーキをかけているかがわかりやすい設定だ。サスペンションは柔らかめだが過度ではなく、高速道路の走行でも安心した走行が可能。また、普段はおおらかな縦置きVツインも、本気で回せば迫力あるエキゾーストノートともに、750ccモデルならではの加速を見せ付けてくれる。V7クラシックは、トラディショナルな見た目からは想像できないほど、スポーティなライディング性能を持っていると言えるだろう。ただ、残念ながら今回の試乗ではスポーツバイクとしての実力をあまり発揮させられなかったかもしれない。時速60kmで3000~3500回転くらいのテイストが、あまりにも心地よすぎるのだ。スロットルをパーシャルに保ち、エンジンの鼓動に身を任せてVツインサウンドに耳を傾ける。速さやハンドリングなどといったパフォーマンス以前の根源的な心地よさ、それこそV7クラシックの持つ最大の性能ではないだろうか。
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