

掲載日:2008年08月07日 試乗インプレ・レビュー
構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
ビューエル最大の特徴は、全モデルに共通する設計思想だ。エンジンをはじめマフラーやサスペンションを車体中心に集中させ、遠くなるパーツを軽量化する 「マスの集中化」。強烈なコーナー荷重に耐え、ライダーのアクションに対して直感的に反応する「高剛性シャシー」。サスペンションを通して伝わる接地面か らのインフォメーションを、よりダイレクトに伝達するための「バネ下重量の軽減」。エンジンの下に配置されるマフラーや、フガソリンタンクを兼ねるフレー ムなどの独自装備は、すべてこれに基づいている。その上で、それぞれのモデルに個性が与えられ、差別化されているのだ。
ライトニングXB12Ssは、スポーツ性能だけでなくツーリングに対する適性にも重点がおかれたモデルだ。従来のモデルと基本を同じにしながらも、フレー ムは専用設計を採用している。これまでのXBシリーズにくらべて2.5度寝かされたキャスター角と、スイングアームの延長によってホイールベースを 50mm延長。ゆとりのある乗り味を実現するとともに、パッセンジャー側シートとシート下収納スペースを拡大した。また、ロングツーリングに対応するため に燃料タンクを約2.7L増加させ、1度の給油で300kmを超える巡航を可能にしているのもこのモデルならではのポイントだ。コーナリングを楽しむホッ トなストリートファイター、というのがこれまでのビューエルのイメージだったが、ライトニングXB12Ssはその枠の中だけでは読みきれない1台になって いると言えるだろう。
1202ccのサンダーストームエンジンのトルクとパワーは軽量な車体を一瞬で加速させる。アイドリング時は雰囲気たっぷりの鼓動感を持ち、回転が上がるほど振動を軽減していき、スポーツ性能とテイストを両立している。
ハブではなくリム側にマウントされた大径シングルを、6ポッドのキャリパーで制動するブレーキシステム。ZTLはねじれ荷重ゼロの意味で、ブレーキングの力をロスすることなく路面へ伝達可能だ。
透明感のあるトランスルーセントカラーのボディパーツと、迫力のあるデュアルヘッドライトの存在感は抜群。パフォーマンスだけでなく、アピアランスでの強い個性もビューエルの大きな魅力と言えるだろう。
ロングツーリングを視野にいれたモデルだけに、ガソリンタンク容量は他のモデルに比べて2リットル増量。フューエルタンクはフレームを兼ねる独自のフューエルインフレームを採用している。
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