掲載日:2008年03月13日 試乗インプレ・レビュー
構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
今回試乗したCB400 SUPER FOUR ABSは新設計エンジンが搭載され、PGM-FIやコンバインドABS、HYPER VTEC Revoといった各種新デバイスが採用されている。エンジンは単体で約2kg軽量化され、それとともに水冷直列4気筒の機能美を主張する外観が与えられた。また、燃料の噴射量とタイミングを緻密に制御するPGM-FIの搭載により、始動性とスロットルレスポンスは大幅に向上。エキゾーストパイプの集合部 2ヵ所に配置された触媒装置との相乗効果で極めて高い環境性能も実現している。PGM-FIに関しては急激なトルク変動など、インジェクションにありがちな症状は巧妙に抑制されており、極めて自然なフィーリングが好印象だ。レスポンスは鋭いのだが、スロットルの開け始めに極僅かだがフワッとトルクが立ち上がる領域があり、その後はインジェクションらしく右手にリニアな反応を見せる。良くできた負圧式キャブレターのような扱いやすさと高い環境性能を両立している点は注目に値する。
ブレーキペダルで前後ブレーキが連動して作動する「コンバインドABS」は、姿勢制御から通常の制動まで、普通のブレーキと同じように扱える。また、急制動時などの車輪のロックを回避するABSとの併用により、制動時の車体挙動の安定性がより高まっている。また、前後の制動力が適正に自動配分されるので、車体全体が沈み込み安定して減速する。ノーズダイブも少なく、ツーリングやタンデム時の疲労軽減にも大いに役立つはずだ。「HYPER VTEC Revo」は、6速はこれまで通り6,750rpmだが、1速~5速では、スロットル開度を感知して6,300rpm~6,750rpmの間で弾力的に2バルブと4バルブを切り替えるという緻密な制御を実現した。ドラマチックな特性変化はなく、その作動がなかなか体感できないことに一抹の寂しさを感じるが、極低回転域からの十分なトルク、つながりの良い中回転域、淀みない伸びを見せる高回転域と、全域で理想的なエンジン特性を実現しているのだから文句を言うのは贅沢というものだろう。