

掲載日:2007年04月26日 試乗インプレ・レビュー
ボクがオートバイマニア(オタクというのか!?)だからだろうか。Honda“CB”というネーミングが付けられているモデルは特別な存在に思える。その“CB”の最大排気量モデルであるからには、Hondaいやいや日本のオートバイの代表格のように感じてしまう。今回乗った“CB”は60年代後半に登場した元祖CB750FOURではなく、最新モデルであるCB1300SFだが、Hondaの伝統を受け継いだ由緒正しいモデルであることを考えると、バイクに対する尊敬の念みたいなものが湧いてくる。正直に言うと、どちらかといえばHondaCB派というよりもカワサキZ派であるボクだが、やはり“CB”に対する憧れのようなものは心のどこかでいつも存在している。
新世代CBは「PROJECT BIG-1」という名のもとにはじまったシリーズで、初代は1992年に登場したCB1000SF。当時これを見たときボクは「なんて大きいバイクなんだ」って驚愕したことを思い出す。当時18歳のボクは、大きさなら負けないカワサキのGPZ1000RXに乗っていたが、ネイキッドスタイルならではの“男らしさ”というか“迫力”、“存在感”に圧倒された。特にガソリンタンクの太さ、力強さが印象的だったことを鮮明に覚えている。あれから15年が経ち、今回最新モデルに乗る機会を得た。途中、マイナーチェンジが繰り返され、そのつど乗る機会があったが、その度にタンクのボリューム感を強く感じる。新しくなる度に軽量化が図られ、各部がスリム化されるのだが、いつだってCB1300SFのタンクは太くて逞しいのだ。
さぁ、エンジンを始動させよう。目覚めたエンジンに注意を向けると、エンジンからのノイズがまったくないことに気付く。聴こえてくるのは混ざり気のない純粋な排気音そのものだけ。こういったところからもHondaがつくるオートバイの精密さを感じることができる。特にシフトを入れた時のタッチは滑らかで、ギアがシフトドラムにしっかりと入っていく様子が想像できる。走行音規制が厳しくなって、開発陣が余計な音を徹底的に排除した結果が、こういうところに現れているのだ。水冷式の直4エンジンはいたってスムーズ、そして低速からパワフルだ。躍動感溢れるキレイな吹け上がり方、全域で落ち込むところのない軽快さ、直4はやっぱりHondaがいい。これはボク自身が昔から感じていることで何の根拠もないのだが、Hondaの直4のフィーリングは他社では味わえない。どんなステージを走っても、アクセルを開ければドーンと車体が前に加速し、ブレーキをかければガツッと停まる。コーナリング中もしっかりとしたトラクションを感じられるから、安心してアクセルが開けられる。安定感のある抜かりのない高性能さで、扱いにくさがあるわけでもなく、“走る・止まる・曲がる”といったトータルバランスが非常に高い。さすがはHondaの“CB”である。股ぐらに図太いモノを抱え込み、ストリートを颯爽と駆け抜ける。CB1300Super Four、これは男のための乗り物だな。
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