掲載日:2015年01月29日 バイク購入ガイド 件のユーザーレビュー
文/山下 剛
キャリアの長いバイクファンにとっては、『CBR250R』と言えば“水冷直列4気筒”、“高回転型エンジン”のレーサーレプリカですが、2011年から国内販売されている『CBR250R』は、水冷単気筒エンジンを搭載するスポーツバイクです。タイをはじめとする東南アジアの工場で生産され、世界中に輸出される“グローバルモデル”として開発され、先行発売されたタイでも好評となっている、新世代250ccスポーツと言えます。
2014年にはマイナーチェンジを受け、出力向上と低燃費化を達成。エクステリアをCBR1000RRをはじめとするシリーズと共通イメージのデザインとすることで、性能と品質、商品性を大幅にアップしています。
まずエンジンは吸気系やクランクピン、ピストンの最適化、ならびにミッションの5速と6速をクロス化することで、最高出力を27psから29psへ、燃費を49.2km/Lから50.1km/Lへと向上。これによって日常域での使い勝手はもちろん、スポーツ性もアップされました。
ウインドプロテクション効果の高いフルカウルは、マルチリフレクター2灯式ヘッドライト採用となり、CBRシリーズのイメージを継承する、シャープでエッジの効いたデザインへと変更。同時に空気抵抗値を従来比で約7.7%軽減しています。アッパーカウルの左右レイヤーにある開口部はライダーに走行風を導くとともに、車体の切り返しを軽くする効果をもたらします。また、シート高は従来と同一の780mmとしながらも、シート前部の幅を絞り込み、サイドカバー形状を変更することで足つき性を向上させています。
低回転から高回転域までフラットにトルクを発生するため、非常に扱いやすいエンジン、ニュートラルでクセのない素直なハンドリング、アップライトで快適なライディングポジション、それらすべてが洗練されたCBR250Rは、通勤や通学の街乗りから高速道路を使ったロングツーリングまで、バイクの楽しさを漫喫できる1台です。
YZFシリーズのDNAを受け継ぐクォータースーパースポーツ。クラス最高出力となる36psを発生する水冷直列2気筒エンジンは街乗りからサーキットまで楽しめる。
現代の250ccスポーツバイクの間口を広げたロングセラーモデル。水冷直列2気筒エンジンは中~高回転域のトルク感が楽しく、操る喜びを感じることができる。
ロングストロークの水冷直列2気筒エンジンは伸びやかなトルクを持ち、落ち着きあるハンドリングで軽快な操作が可能。フルカウルバージョンはツーリングも快適だ。
2011年に登場したホンダのクォータースポーツ CBR250R は、開発コンセプトに “Sports Quarter for One World, CBR250R” を掲げ、世界中のあらゆる地域、あらゆる嗜好のライダー向けた世界戦略車として生み出されました。生産はタイホンダとインドホンダが担当、日本国内で販売されている車両はタイで生産されたものになります。
スチール製ながら、とても軽量に設計されたトラス構造ダイヤモンドフレームに、CBR250R のために新開発された、水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブエンジンを搭載。最高出力は 27ps、数値上はハイパワーとは言えませんが、単気筒エンジンならではのフレキシビリティの高い出力特性を持ち、スペック以上の力強い走りを見せてくれます。吸気システムにはホンダ独自のインジェクション PGM-FI を採用。マフラーにはキャタライザーを内蔵し、日本国内はもとよりヨーロッパの環境基準ユーロ3などに適合する高い環境性能を誇っています。また、49.2km/L(60km/h 定地走行テスト値)という優れた燃費性能も特筆すべきポイントです。環境性能の高さと消費燃料の少なさ、世界的に高まる環境意識にぴったりとマッチしたキャラクターは、さすが “グローバル戦略機種” といったところです。
威風堂々たるボリューミーなフルカウルのデザインは、ホンダの提唱する最新デザイン理論「マス集中フォルム」に則って形作られたもの。空気抵抗を低減しているだけでなく、冷却経路には確実に風を送り、ハンドリングの向上にも寄与する最新のエアマネジメントを実現しています。
また、250cc クラスとしては世界初となる、コンバインド ABS 仕様車も設定されています。コンバインド ABS は、前後連動ブレーキと電子制御式 ABS を組み合わせたもの。極めて高いアンチロック性を有し、乗り手のライディングスキルに依存せずに、誰が使用しても最短の制動距離を実現する非常に安全性の高いブレーキシステムです。その他にも CBR250R には、数々の最新技術が投入されています。“世界のホンダ” が本気で作り上げた CBR250R は、250cc クラスの世界標準足り得る意欲作なのです。(文/淺倉 恵介)
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