掲載日:2015年04月06日 バイク購入ガイド 件のユーザーレビュー
文/淺倉 恵介
日本独自のカテゴリーとして発展してきた400ccクラスで、現行モデルを代表する名車といえばホンダ『CB400スーパーフォア』、『CB400スーパーボルドール』で間違いないでしょう。1992年に初代モデルが登場して以来、モデルチェンジを繰り返す度に着実な進化を遂げ、2015年にビッグマイナーチェンジが施され、更に完成度を高めました。CB400スーパーボルドールは、ハーフカウルを装備して快適性を向上させた、CB400シリーズの中核をなすモデルです。
2015年モデルでは、2008年に登場したインジェクションを採用した通称HYPER V-TEC Revoをベースにしています。今回のマイナーチェンジでは、エンジン自体に大きな変更はありませんが、インジェクションのセッティングを見直しレスポンスが向上しました。見かけ上で一番大きな変更点は、スタイリングです。アッパーカウルのデザインが、先行してモデルチェンジを果たしていたシリーズの旗艦『CB1300スーパーボルドール』の意匠に近づけられ、より高級感が増しています。またヘッドライトにLEDが採用されたことも見逃せません。消費電力の小さいLEDはバッテリーなど電装系への負担が軽く、ナビゲーションなどのガジェットを装着する場合にも有利だと言われています。
車体で見逃せないのがハンドルポジションの変更です。先代モデル比で、手前に10mm引き寄せられ、7mm高くなっています。シート高とステップ位置に変更はありませんから、よりアップライトで自由度の高いポジションに変わったと言えるでしょう。見えない部分ですが、シートレールに補強が加えられるなど、フレームの剛性バランスにも手が加えられています。新設計の超軽量ホイールの効果もあり、軽快でダイレクト感のあるハンドリングを手に入れています。
熟成度が増してますます魅力的なCB400スーパーボルドールは、現代の名車と言っても差し支えない1台なのです。
GSX-R600由来のハイパワーエンジンを搭載するネイキッドモデルGSR600をベースにした国内専用車。最高出力61PSは、400ccクラス史上最大となる。
空冷並列4気筒エンジンは速さと造形の美しさが魅力。大柄に見える車体だが、ポジションはコンパクトで扱いやすい。後期モデルはオーリンズ製リアショックを標準装備。
往年の名車『Z』を思わせる丹精なスタイリングが魅力。カワサキ唯一の空冷4バルブDOHCエンジンのパワーは十分以上。中古車人気も高く、高年式車はプレミアムに。
400ccクラスで、圧倒的なシェアを誇っているCB400SFシリーズ。そのシリーズの大きな柱がネイキッドモデルの CB400SF。そしてそれに並び立つもう一本の柱が、ハーフカウルを装備したCB400スーパーボルドールです。SFとスーパーボルドールは、エンジン、フレームといった基本構成は共有していますが、フレームマウントのハーフカウルの装着によりメーターやヘッドライトもフレーム支持となっており、それぞれ専用品が使用されています。
1992年、先鋭化し過ぎたレーサーレプリカに対するアンチテーゼとして、CB400SFは誕生しました。あらゆるシチュエーションで走りを楽しめるスタンダードなネイキッドとして、CB400SFは高い支持を集めたのです。幾度かのモデルチェンジを経て、1999年には可変バルブ機構ハイパーVテックを搭載。ハイパーVテックは、低回転時に1気筒あたり4本あるバルブの内2本を休止させ、高回転時には4本全てのバルブが稼働することで、あらゆる回転域で最適な吸・排気効率、燃焼効率を実現させるメカニズムです。このバルブ制御機構はモデルチェンジを重ねるごとに熟成され、現在ではCB400SFシリーズというオートバイを語る上で、欠かせないファクターとなっています。2002年に SPEC II、2003年には SPEC III にバージョンアップされ、スーパーボルドールはハイパーVテック SPEC III の世代、2005年にラインナップに追加されました。ハーフカウル装着はウインドプロテクション向上の効果だけでなく、ステアリングがメーター類やヘッドライトなどの重量物から解放されたため、優れたハンドリングを発揮しました。そのため単なるバリエーションモデルに留まらず、独立したモデルとしても高い評価を得ているのです。2007年には吸気システムに、PGM-FI(インジェクション)を採用。ハイパーVテックも更に進化を遂げ “Revo” と名付けられました。同時にコンバインド ABS 搭載モデルもラインナップに追加されています。
スーパーボルドールは中古車のタマ数も豊富ですし、新しいモデルのため程度も比較的良いものが多いようですが、人気車種だけに相場は安定して高め。熟成が進んだ現行モデルはとても魅力的ですので、新車での購入も考えたいところです。
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