掲載日:2015年01月21日 バイク購入ガイド 件のユーザーレビュー
文/山下 剛
2010年に登場した『CB1100』は、「大人の所有感を満たすエモーショナルな空冷直4ネイキッド」を開発コンセプトとして、騒音や排気ガスの規制が厳しくなる中、あえて「空冷」「4気筒」にこだわったネイキッドとして生まれました。2014年にはマイナーチェンジを受け、走りと質感、“CBらしさ”がいっそう洗練されたモダンクラシカルとなっています。
CB1100の丸みと曲面を多用して造形の美しさにこだわった空冷エンジンは、フィンのひとつにまでこだわって設計されており、広めに設計されたカムシャフト軸間が作り出す存在感は、空冷直4ならではのもの。日常で多用する2,800~3,200rpmでのトルク感と“うなり”を楽しめるエンジンフィーリングも、往年のモデルを彷彿させるセッティングです。気筒間のバルブタイミングをあえてずらすことで、空冷独特の味わいを再現していることも特長と言えるでしょう。
初めての乗車でも違和感なく、それどころか長年乗り続けてきたかのような錯覚すら覚える素直なハンドリングに加えて、前後18インチホイールがもたらす穏やかな乗り味もCB1100の美点です。鋼管ダブルクレードルフレームのしなやかな“ねじれ”も、それに大きく貢献しています。
ライディングポジションは、シート、ハンドル、ステップの位置関係をコンパクトにしながらも上半身にゆとりがあり、なおかつ足つき性も良好。疲れにくく、乗りやすくて操りやすいので、しなやかな設定の足周りと相まって、ちょっとした街乗りからロングツーリングまで、気負うことなく走らせることができます。
2014年のモデルチェンジにより、CB1100はミッションは5速から6速へと変更され、トルクと“うなり”を感じられる速度域が80km/hから100km/hへと上がり、高速道路での巡航をより楽しめるようになっています。
ABS装着車両をはじめ、特別装備をまとった『CB1100 EX』などもラインナップされています。
空冷4気筒としては最大級の排気量1,250ccのエンジンを搭載し、オーリンズ製リアサスペンション、モノブロックキャリパーなどの装備群がスポーティな乗り味を実現。
カワサキの名車『W1』をモチーフとし、往年の英国車に通じる空冷バーチカルツインエンジンとスタイリングを持つモダンクラシック。2気筒ならではの味わいを楽しめる。
伝統の空冷バーチカルツインエンジンを搭載する名車の復刻バージョン。865cc空冷並列2気筒の力強いトルクと360度クランクが生むパルス感は英国車の歴史そのもの。
2010年の春にデビューして以来、ほん数か月で年間の販売予定台数を上回る受注を集めたヒット作です。大人の価値観を満足させるフィーリングと質感を持ち、新しいスタンダードモデルとして注目の1台と言えるでしょう。
最大のトピックは、この時代にあえて空冷エンジンを開発したことです。高回転やパワーを追求するのではなく、日常域でのトルク感が重視され、5速ミッションのギアレシオもそうした出力特性を引き出せるように設定されています。また、エンジンの造形も空冷らしさにこだわったもので、厚さわずか2mmという極めて薄い冷却フィンと奥行き感を演出するダイキャストの質感によって、繊細な外観が与えられているのです。もちろん、インジェクションやキャタライザーを装備。静粛性や環境対策も万全なのは言うまでもありません。
1100cc という大きな排気量を持つ車体ですが、日本人の体格に合わせて 750cc 並みの重量とコンパクトなライディングポジションを実現しているのも人気の秘密です。シート高は 765mm と低く、スリムな形状で足付き性は良好。ハンドルはアップライトな Type I と、低くて幅の狭いバーを持つ、スポーティな Type II が用意され、それぞれに前後輪が連動して利くコンバインド ABS 装着車も設定。幅広いラインナップから好みに合った1台を選ぶことができるのも、ユーザーにとってはありがたいポイントです。前後ホイールは18インチで、それぞれ 110/80、140/70 という細身のタイヤが装着されているほか、シンプルな正立サスペンション、適度にしなやかなダブルクレードルフレームとの組み合わせで、ライダーのスキルやライディングのシーンを問わず、軽快なハンドリングを楽しむことができるオールマイティな1台です。
中古車の数はまだ少なく、値段もほとんどが80万円台以上で推移。走行距離も伸びていないため、個々の状態を見極めつつ、新車や中古車か、どちらが得か選びましょう。(文/伊丹 孝裕)
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