モトグッツィ V85 TT

掲載日:2019年06月22日 バイク購入ガイド        件のユーザーレビュー

文/杉山 研二

モトグッツィ V85 TTの画像
MOTO GUZZI V85 TT

新設計の車体に853ccのVツインを搭載
クラシックスタイルのトラベルエンデューロ

V85 TTは、1980年代のパリ・ダカールラリーをイメージさせるクラシカルなトラベルエンデューロです。基本コンセプトとして、シンプルさ、容易さ、実用性の3つを掲げていますが、それとうまく重なるのが1980年代エンデューロのスタイル。日常の移動からアドベンチャーツーリングまでこなせる古き良きデザインを、このV85 TTは取り入れました。ちなみにTT=Tutto Terrenoは、オールテレーン(すべての地形)を意味するイタリア語。モトグッツィでは1980年代のデュアルパーパスにも、V65 TTなど「TT」を用いた車名がありました。

縦置きVツインエンジンにシャフトドライブというモトグッツィ伝統のメカニズムは健在ですが、それに加えV85 TTは、21Lの大容量燃料タンクやウインドシールド、グリップガードなど、シンプルながらも長距離走行をしっかりと支える装備の数々を採用しています。また車体の着座位置周りは、体を動かしやすいように絞り込んだデザインとなっています。シート高も830mmで足着き性は良好。ほかにも、LEDのデュアルヘッドランプ、TFTディスプレイのデジタルメーターなど、機能的な装備が各所に取り入れられています。

エンジンは、空冷、OHV、2バルブの古典的な構造ですが、じつは完全新設計です。チタン材の使用やセミドライサンプ方式を採用し、最高出力80HP(59kW)/7,750rpm、最大トルク80Nm/5,000rpmを発生。重量は従来のスモールブロックエンジンに比べ約30%も軽くなっています。スロットルはライド・バイ・ワイヤ方式。選択できるライディングモードは「Rord」「Rain」「Off-road」の3種類。そのほか長距離走行時にありがたいクルーズコントロールも装備しています。

シャシーにはアルミダイキャスト製のステップサポートプレートと高張力鋼管製のフレームを使用しています。アンダークレードルは廃止し、最低地上高を稼いでいます。フレーム後部セクションはパッセンジャーのグラブバーを兼ねるほか、オプションのパニアケースやトップケースを装着することも可能。また、前後長が短くなった新しいエンジンにより、ロングスイングアームの採用が可能となりました。サスペンションはオンロードでの快適性を維持しながら、前後とも約170mmのホイールトラベルを確保しています。

車体色および価格は、プレミアムグラフィックのサハライエローとサハラレッドが142万5,600円(消費税8%込み)、スタンダードグラフィックのアトラスブルーとアタカマグレーは139万8,600円(消費税8%込み)となっています。

モトグッツィ V85 TTのここがポイント!
  • ● 走る場所を選ばない扱いやすい車体パッケージ
  • ● 往年のラリーマシンを思わせるクラシカルな外観
  • ● 大幅な軽量化を果たした縦置きVツインエンジン

モトグッツィ V85 TTのライバルはこれだ!

  • ホンダ
    CRF1000Lアフリカツイン

    異型楕円形状のメインパイプを採用したフレームに、998ccの水冷2気筒を搭載したアドベンチャーモデル。最高出力は70kW、価格は消費税8%込みで138万6,720円から。

  • トライアンフ
    タイガー800XCx

    トレリスフレームに最高出力70kWの800cc水冷3気筒を搭載するアドベンチャーモデル。フロントには21インチのスポークホイールを採用。169万9,800円(税8%込み)。

  • BMW
    R nineT アーバンG/S

    1980年のR80G/Sをオマージュするオフロードスタイルのヘリテージモデル。エンジンは1,169ccの水平対向2気筒、最高出力は81kW。価格は189万9,000円(税8%込み)。

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