掲載日:2010年04月30日 特集記事 › ヨシムラに聞くエンジンチューン
記事提供/2009年12月24日発行 月刊ロードライダー 2月号
柴田直行/木引繁雄 Text/石橋知也
処理は研磨材を入れたプールにパーツを丸ごと入れて、洗濯機のようにゴロゴロとかき回すのだ。現在ヨシムラがリリースするカタナ用パーツは、カムとTMR-MJNキャブのみ。そのTMRの新作、ブラックアブソリュートにもNK-1レーサーでも使ったサイドリンク仕様φ40mmが設定されている。
「1135Rのときも黒キャブでしたけど、1135Rは各気筒用を繋ぐピッチパーツ(アルミ)まで黒にしました。ブラックアブソリュートは、そのピッチはシルバーのままなので、1135Rのキャブの方が手間がかかってますね。スピゴットはどちらも黒です」(川口)
1135Rは、'00年から開発に取り掛かり、'01年に5台が完成した。
「ファイナルエディションが出るんで、何かやってほしいというユーザーの声が多かったね」 (不二雄)
1135Rは、'82年AMAスーパーバイク、'90年代中期のNK-1、そしてヨシラムで手がけたユーザーのカスタムなどの手法を総合し、かつ最新技術を盛り込んだ集大成仕様だった。5台しか作られなかったのは、ベースのファイナルエディションの新車が5台しか手に入らなかったからというのが真実だったようだ。
「とにかくすべての部分を見直しました、最低2仕様は試したと思います。Fフォークはφ41mmも含めた3~4仕様を検討し、最終的にGSX-R600用φ45mm正立を改造。ダンパーをバラし、シムを積み直し、インナーチューブを延長し、ボトムケースは西村コーティングさんで、サンドブラスト処理でヨシムラの文字を入れて塗装して・・・・・・。フレーム補強用のガセットはAMA仕様やNK-1のイイとこ取りで。スイングアームは1135R専用です。NK-1ではTT-F1用を上下逆さに使ってましたから。チェーン引きはハヤブサレーサーと同仕様でした。ホイールはビトーR&D製で、フロントはGSX-R用でしたが、リヤは1135R用の特注品です」(川口)
これからもヨシムラが生み出したAMAスーパーバイク、NK-1、1135Rは、多くのカタナカスタムのお手本になっていくことだろう。そしてそこに中空カムのように最新パーツを組み合わせながら、進化を続けるはずだ。ヨシムラのカタナ伝説に終わりはない。そう期待したい。
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