掲載日:2010年01月06日 特集記事 › ロードライダーインプレッション
記事提供/2009年7月1日発行 月刊ロードライダー 7月号
■Report/浅川邦夫 ■Photo & Text/石橋知也
■協力/ウイリー
■協力/ONE&TWOクラブ / オートポリス
ビレットパーツが輝く出来たてのWR-DAEG。舞台はオートポリス。大いに期待がかかる。
ライダーは浅川邦夫。未完ながらもポテンシャルは非常に高く、DAEGの理想形を感じさせた。
リヤの剛性感と動きはさすが
あとはバランス
ウイリー(以下WR)はZRX1100/1200のパーツを多くリリースし、高い評価を得てきた。一方でシングルレーサーや自製フレームの公道許可車、ニンジャのフレーム大改造車WR972Rなどコンプリートも作ってきた。このDAEGも単なるパーツ開発用車両ではなく、1台を徹底的に仕上げる目的で製作を始めた。オートポリスに持ち込まれたのは、現在まで製作されたパーツを組み込んだばかりの状態。まだまだセッティング中で開発途上だ。
「でも、さすがにレベルの高いパーツを組んであるのは、すぐに分かるよ。明らかに軽いし、左右への切り返しはシャープ。リヤまわりの剛性感や動きの良さは抜群。WRのスイングアーム、マルケジー二の鍛造マグホイール、クァンタムのサス、ピレリのタイヤ(スーパーコルサSP)だもの。吸収性、グリップ力、運動性はすごく高いレベルだよ」
と試乗した浅川邦夫さん。浅川さんは以前にR/RファクトリーでZRX1100を担当していたから、ZRX系のチューニングには詳しい。この日のオートポリスの試乗では、リヤショックのセッティングもメニューで、特にスプリングは何度も交換。結局、持ち込んだ中で一番高いバネレートになった(どれもバリアブルレー卜)。WRアームのショック取り付け位置がSTDより後ろで、STDよりアームの縦寸法が大きいなどが要因となって、結果リヤショックがSTDより寝て、高いバネレートが必要になったのだ。後日扱い元のQRSに聞いたところ、リンク付きCB1300SFと同等らしく、2本サスにしては高い方だという。「リヤはバネレートを上げていってバランスも良くなり、これなら、というところまで来た。問題はフロン卜。簡単に入り過ぎる。ブレーキがラジアルで効くし、三つ又はWRの剛性の高いヤツなのに、フォークが踏ん張れず突っ込めない。バネレー卜が低過ぎるね」
これはオーリンズ正立が市販状態だったので、より高いバネレートを2種類オーダーして、セッティングすることになった。
「つくづく全体のバランスの重要さを感じた。これだけ高いレベルのパーツを集めると、どこか低いと顕著にネガが出てしまう。STDでも走ったけど、個々のパーツのレベルが低いなりにバランスは良いので、想像以上に走りやすかった。これ以上攻めるとダメなんだけど。WR号は現状は全部のバランスが取れてない状態。もちろん合わせられると思うし、そうなれば相当走るでしょ」
エンジンはSTDで、リミッターも付いたまま(キットがまだない)。「オートポリスだと、その上の域がWR号の本領発揮だから残念」
WRのDAEGは、今後もチューンのメニューがたくさんあるし、随時誌面で紹介していこうと思う。
浅川邦夫さん(中。アサカワスピード代表)を挟んで富永保光さん(右、ウイリー代表)と長男・保隆さん(左。NC担当)。3人とも乗れるチューナー/製作者というのが強みだ
独創的でハイレベルなパーツが光る
未完の大器
カスタムペイントも施し、すでに魅力十分のWR-DAEG。開発テーマは“ストリートのスーパースポーツ仕様”。WRパーツは新作も多く、一部を除きすでに市販されている。今後はさらにフレーム補強を行っていくという
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