掲載日:2026年08月20日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち


美しいモダンレトロなイタリアデザイン、扱いやすい車体、心地よいエンジン音などから、一部のマニアから強い支持を得たバイクがあった。それがヤマハのルネッサ。
1996年。当時の主役はゼファーなどのネイキッド、SR400などのイギリス系のクラシックへ移っていた時代。そこに新たに登場したのが、イタリアのカフェレーサーを思わせる、気品あるデザインのルネッサだった。
美しいデザインを優先するために装備は極めてシンプル。タコメーター(回転計)は排除され、クラシカルな丸型のスピードメーター1つだけ。リアブレーキもクラシックな雰囲気を壊さないため、あえてドラム式を採用していた。
ガソリンタンクからなだらかに続くガンファイター風のシート、そして流麗なテールカウルへと流れるラインは超エレガント。
さらに低めのハンドルポジション、エンジンの造形美を際立たせるダブルクレードルフレーム、フロントフォークのボトムケースやエンジンの左右クランクケースカバーなど、手作業で磨き上げたような美しさがあった。そしてエンジンから伸びる2本のエキゾーストパイプの曲線美はまさに芸術品!“デザインのヤマハ”の造形へのこだわりがギュッと詰まっていた。
しかし当時はその魅力が理解されず、僅か2年で生産終了に。30年が過ぎてようやく時代が追いついたのか、いまではヤマハ造形美の傑作として高い評価を得ている。








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