掲載日:2026年06月10日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち


90年代半ば、ホンダのGBクラブマンやカワサキのエストレアなど、レトロなスタイルでシンプルなバイクが一定の支持を得るようになっていた。そこへスズキがニューモデルとなるボルティーを投入、少しばかりバイク界を騒がせた。
一番の驚きはその価格で、何と29万8,000円税抜(TypeⅠ)。ライバル2車が40~50万円台だったことを考えると、まさに『価格破壊』(当時流行していた)だった。ちなみにGN250のほか、様々な車種のパーツを流用することでこの価格を実現させた。
ボルティーのコンセプトは『フレンドリー』(乗りやすさ・扱いやすさ)。シート高は750mmと低く、ボディも乾燥重量125kgと軽いため取り回しもラクラク。デザインも親しみやすく、丸みを帯びたガソリンタンクは『らっきょうタンク』と呼ばれていた。また厚みのあるシートも、お尻が痛くなりにくいと好評価。カタログ値57km/L(60km/h定地走行時)という、燃費の良さも魅力のひとつとなっていた。
エンジンはグース250やSW-1に使われた、オフロードバイクDR250S系の空冷SOHC4バルブ(TSCC採用)がベース。元々ハイパワーで頑丈、信頼性の高かったエンジンを、さらに街中で乗りやすいようマイルドな特性にデチューンされていた。
手頃な価格、レトロで可愛いルックス、タフで扱いやすいエンジンなど、その魅力は多くのビギナーや女性ライダーに刺さり、高い支持を集めた。
翌年にはキャストホイールにシングルシートのTypeC、98年にはダブルシートのTypeTが登場。2004年まで生産され続ける人気モデルとなった。








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