掲載日:2023年03月10日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
懐かしくてかっこいいスクーターといえばベスパ。そういえば僕がベスパを知ったのはいつだろう? ベスパが出てくる映画として『ローマの休日(1953年公開)』が有名だが、僕が生まれる前。そんな風に考えて行くとあるテレビドラマにぶつかった。1979年~80年に放映された『探偵物語』だ。黒いスーツにソフト帽とサングラス、ハードボイルドな主人公、探偵の工藤ちゃん(松田優作)が乗っていたのがベスパだった。
その姿はオシャレで、チャーミング。ベスパには日本車は持っていない、特別な空気感があった。そういえば、イギリスで生まれた若者たちのカルチャー『モッズ(音楽・ファッション・クラブなど)』たちが乗っているのもベスパだった。
ベスパの生みの親であるイタリアのメーカー『ピアッジオ』は元々航空機などを生産していたが、第二次世界大戦後、民需転換のために小型スクーター『ベスパ』を開発した。スチールモノコックボディやタイヤ交換がしやすい前輪の片持ちサスペンションなど、航空機メーカーの技術を使った。構造がシンプルでメンテナンスがしやすいこと、スカートの女性でも足をそろえて乗れるデザインなどが庶民に受け、大ブレイク。その後世界100か国以上で販売またはライセンス生産される、グローバルスタンダードスクーターとなった。
1996年に4サイクル化、オートマチック化など大きなリニューアルが行われたが、スチールモノコックボディ、フロント片持ちなどのベスパらしさはその後も継続。いまも世界中のファンから愛され続けている。
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