掲載日:2022年11月11日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
ホンダとヤマハが激しい販売競争を繰り広げたHY戦争、終戦宣言されたといわれる1983年にヤマハが「ジョグ」を発売、スポーツスクーターとして大人気になった。
ジョグに対抗するように85年、ホンダが同路線のスクーター「DJ・1」をデビューさせた。えっ、もしかして打倒(D)ジョグ(J)の頭文字か? なんて噂もあった(笑)。
ボディはシートとステップ側を1色、取り囲む外側が1色、ツインカラーでコーディネイトされている。ノーズからシート、テールへ流れるように伸びるラインは、空気抵抗を追求した「エアロフォルム」。かなり熱を入れて作られていたことがわかる。
印象的なのはイルカがジャンプする姿をモチーフにデザインされたフロントノーズ。これが「ドルフィンジャンプライン」Dolphin・Jumpと呼ばれ、頭文字がDJになったり、当時のテレビCMで流れていた、ノリノリで「DJ♪DJ♪」って踊っていた黒人がディスクジョッキー(DJ)だったり。とにかくDJの周りは「DJ」だらけだった。
ちなみにエンジンは空冷2ストで最高出力は5.2PSとかなりパワフル。ワイドレシオのVマチックを採用しているため、中低速から高速まで加速もスムーズ。また車体が52kgと軽量なため、特にスタートダッシュが得意だったといわれている。
クイックなハンドリングを実現するため前後8インチタイヤを採用。ホイールベースを長くすることで、乗車姿勢はのびのび、直進の安定性を向上させていた。
そのテイストは専用チャンバーとアンダースポイラーの「DJ-1R」、さらに後継車「DIO」へと引き継がれてゆく……。DJ・1はホンダのスポーツスクーターの原点なのである。
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