掲載日:2022年09月09日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
ネット検索や古本を使って、懐かしいレトロバイクを探すのは楽しい作業だ。僕が乗ったバイクや実際に見たことのあるバイクはほんの一部で、発売されたバイクは星の数ほどある。黄ばんだ古本のページめくりながら「この時代はこんなに種類があったんだなー」とか「こんなバイク作ったって絶対に売れないだろー」と突っ込んだり。「このバイクいま売り出したら絶対に売れるのに!」など勝手な想像をしている。
そんな中、面白いモデルを見つけた。それはスズキの「スワニースポーツ」。時代の流れを掴んでいるようでどこかずれている、でもなんだか憎めない、そんなバイクだ。
1980年、先にレッグシールドとステップを一体化、両足をそろえて乗れる「スワニー」が登場。白鳥のような優美なシルエットが名前の由来。ファミリーバイクとスクーターの間のようなスタイルで、女性ユーザーがターゲットだった。ちょうどそのころ、ヤマハ「パッソーラ」、ホンダ「タクト」などが登場、スクーター人気の波が押し寄せ始めていて、若い男性もスクーターに注目するようになっていた。
そんな時代に着目したスズキは「スワニー」を男性向けにアレンジしたバリエーションモデル「スワニースポーツ」を作った。スワニーのフロントバスケットを外し、フロント部の形状も変更することで、スポーツ性を打ち出しているらしいが……、ファミリーバイク感は抜けていないし、スポーティ感も伝ってこない。正直なところ、かなり中途半端なモデルになってしまった。だが、そこが逆に魅力的に感じてしまう、そんな僕は変わり者なのだろうか?(笑)
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