掲載日:2021年11月05日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
1968年にGPレーサーを彷彿させる本格的な軽量スポーツ車、スズキスポーツAS50が誕生した。丈夫で軽量なVボーンフレームに最高出力6PS/9,000rpm、最高速度95km/h、リターン式5段ミッションのエンジンを搭載、当時としてはかなり高性能バイクであった。それと同時に発売されたのが、そのAS50をベースに作られた、スズキ初の50ccスクランブラーAC50だった。
レーサータイプの高回転高出力型のエンジンはそのままに、ブリッジ付きのアップタイプのハンドル、オートリターン式フットステップ、ホールド感を高めたタンクなどに変更。オフロード走行に対応できる、スクランブラーを作り上げた。
ちなみに1968~70年頃はスクランブラーが人気の時代で50cc、90cc、125cc、250cc、350ccと多排気量で展開、各メーカーが作っていた。
スズキのスクランブラーAC50は2年後、1970年にモデルチェンジ(イラストはこの70年型を描いている)。大型のヘッドランプ、セイフティーランプ、フロントブレーキランプ、サイドリフレクターなどを装備し、高性能マシンに安全性を加えた内容になった。
オフロードブームの影響でスクランブラーをモトクロッサー化する人が激増。オプションパーツとしてハンドルやスプロケット(4種類)を販売。シリンダー、ピストン、キャブ、マフラーなど、モトクロスキットも数多く発売された。
オンロードから、オフロードへ。日本人のバイクの楽しみ方が広がって行く、新しい時代を象徴するモデルがスクランブラーAC50なのだ。
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