掲載日:2020年07月03日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
このレトロバイクを紹介する連載を始める前から、僕の中で“レトロバイク”の代表といえばラビットだった。いつか描こうと思いながら先延ばしに、気が付くと1年以上が過ぎていた。「満を持して…」ではないけど今回、描くことにした。
基本僕は乗るのも描くのもデザインが最優先。ラビットに関しては、メーカー名、排気量、チェーン駆動なのか?など、何も知らなかった。今回がいい機会と思いネットなどで調べてみた。アメリカのスクーターを参考にして開発されたバイクで、当時の富士産業(現スバル)という会社が1946年から製造販売を開始(僕が生まれる15年前!)。その後、様々なモデルを開発販売し1968年まで生産を続けたらしい。昔のバイクなので勝手に2ストと思いこんでいたが、実は4ストもあることを知って驚いた。
僕は究極のスクータースタイルはベスパだと思っているが、それに負けず劣らずオシャレなラビット。特にいいのが大きな丸目のヘッドライトから尖ったフロントフェンダーへ流れる美しい曲線。ヘッドライトの両側に付いたウインカーもレトロ感たっぷりで愛らしい。シンプルなハンドルとスピードメーター。丸みのあるボディもどこか動物っぽい。またメカニカルなエンジンが外から見えない点も魅力的だった。
まるでブリキのおもちゃのような造り。おもちゃ箱から飛び出してきたようなバイクに本物の人間が乗って、遠い場所へ行く。そこにあるのはディズニーやジブリ映画のような世界。これがラビットの魅力。昔のバイクなので性能や耐久性など難点もあると思うが、それ以上の大きなロマンと夢を感じるバイクなのである。
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