掲載日:2020年03月20日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
ランディ・マモラにケニー・ロバーツ、フレディ・スペンサーetc……。膝をスリスリ、命を懸けたデッドヒートに手の汗握る。たくさんの若者がテレビや雑誌のグランプリロードレースに釘付けになっていた1980年代初頭。その中にはもちろん自分もいた(笑)。
日本のバイク業界はそんな時代の流れを汲み、レーサーレプリカ全盛時代に突入して行く。その波は身近な50ccにいきなりやってきた。先陣を切って登場したのがSUZUKIのRG50-ガンマ!! その時は「ガンマ」という名前が付いているだけ、とてつもなく速いバイクのような気がした。
名前もさることながら中身がすごかった。クラス初の高張力鋼管角形パイプを使用したダブルクレードルフレーム。アルミシリンダーの水冷エンジンにフルフローターサス、ANDFなど最新の装備がてんこ盛り。さらにオプションのセンターカウル、アンダーカウルを付ければ、気分は完全にレーサー。
あの頃は、憧れのバイクは高くて買えないけれど、せめてカタログだけでも眺めていたかった。そんなガンマのカタログの表紙は、500ccクラス世界選手権のチャンピオン、イタリア人イケメンレーサーのフランコ・ウンチー二。ブルーのレザースーツに身を包んだフランコの後ろにレースマシン。手前にRG50ガンマが並ぶ。何もかもがカッコイイ……カッコよすぎる。僕もガンマに乗れば、ウンチ―ニみたいになれるのかな? 何前はいまいちだけど(笑) ガンマなら僕でも早く走れるかも? こんな風にかっこよくなれる?? 僕にとっての妄想マシンなのであった。
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