掲載日:2024年10月25日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
『漢(オトコ)カワサキ』や『硬派』のイメージが強いカワサキだが、過去に“カジュアルスポーツ・CASUAL SPORT=CS”という、ソフトな名前の付いたモデルを作っていたことをご存じだろうか?
それが1985年に発売された4ストシングルモデル“CS250”。シングルの前モデルZ250FSは、大人気の二気筒のZ250FTに押され、パッとせず。そこで心機一転、カワサキを代表するブランド名『Z』を捨て、誰でも気軽に乗れる新しいスタイルのシングルバイクという新コンセプトで作ったのがCS250だった。
スチール製丸パイプのダブルクレードルフレームに最高出力34PS、水冷DOHC4バルブの高回転型ハイパワーエンジンを搭載。乾燥重量118gのスリムボディ、フロント16インチ、リア18インチタイヤにより軽快なハンドリングを実現。デザインはカワサキ車とは思えないほどカジュアルだった。
ここまで聞くと人気が出そうなのだが、残念ながらあまり売れなかった。若者に受けそうなカジュアルなルックス、高いスペックのシングルスポーツ、相反する個性をベストな形で融合できなかったことが原因かもしれない。加えて「こんなのカワサキじゃない!」と感じたカワサキファンも多かったはず。
当時のホンダCBX250RSやヤマハSRX250など強力なライバルに勝つことはできなかったが、硬派のカワサキがこんなバイクを作っていた時代があったのかと思うと、どこか微笑ましく感じるのである。
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