掲載日:2016年12月30日 トピックス
取材協力・写真/NEXCO東日本 関東支社
取材・文・写真/野岸“ねぎ”泰之 構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
関越自動車道下り・花園ICの1km手前の渋滞の様子
NEXCO東日本 関東支社の渋滞予報士・外山さんに渋滞に高速道路の渋滞について教えてもらう「高速渋滞RIDE」。渋滞の定義や発生原因を理解したVol.1に続くVol.2は、いよいよバイクでのスマートな渋滞クリアの方法です。
渋滞中のドライバーは後方からの車両への意識が薄れている。ライダーは要注意だ。
連休や長期の休暇シーズンなどで高速道路が渋滞している時、ライダーのみなさんはどんな走りをしていますか? バイクだから渋滞なんか関係ないぜ、とばかりに先を急いで飛ばしている人も多いかと思います。しかしバイクの柔軟な加減速を活かし、渋滞の特性を知れば、クルマよりも早く渋滞を通過できる可能性があるんだとか。それは一体どういうことなのでしょうか?
「自然渋滞は追い越し車線から始まることが多いんです」と外山さんは続けます。交通量が多くなり、流れが悪くなってくると、より速く走りたいと考える人が右側の追い越し車線に集中し、その結果、追い越し車線が詰まってそこから渋滞が始まる、というパターンが多いそうです。そこで「徐々に流れが悪くなって来たからと言ってむやみに追い越し車線に行かず、走行車線を走り続けた方が結果的に前に行けることも多いんです」とのこと。
外山さんが手掛ける交通混雑期の渋滞予測ガイド。こちらは2016年12月28日~2017年1月4日の年末年始版。S.A / P.Aに設置。NEXCO東日本HPでも確認できる。
さらに「渋滞の車列の動きには、走る・止まるを繰り返す波があります。バイクであれば、その波を察知し、“走る”の波にうまく乗ることで、無理のない車線変更により、効率よく前に進める可能性があります」と外山さん。事故で車線が塞がれてしまうような場合を除いて、自然渋滞の場合は完全に流れが止まることはなく、少し流れる区間と止まる区間が交互に訪れることが多いそう。そこで「バイクはクルマよりも柔軟な加減速が出来るため、それを活かして流れをリードして走れば、効率よく前に進めるはずです」とアドバイスをくれました。
目前の渋滞をクリアすることだけにとらわれず、渋滞の特性を理解することで、より安全に渋滞をクリアできるというわけです……これがスマートなライダーの渋滞走行のお作法と言えるでしょう。
なお、「渋滞時には事故が増えるんですよ」と外山さんは注意を呼びかけます。NEXCO東日本関東支社内の2015年のデータでは、年間の事故割合における渋滞時の事故が26%なのに対し、年末年始やゴールデンウイーク、お盆期間などのいわゆる交通混雑期には渋滞時の事故が49%となっており、事故の約半数が渋滞時に起きています。つまり、渋滞予測を活用して渋滞回避に努めることは、渋滞を起因とする事故を避けることにもつながるのかもしれません。情報を活かして、連休前の渋滞にしっかりと備えたいですね。
渋滞予報士によって導き出される連休前の渋滞予測。その情報はクルマでの移動を計画しているドライバーに向けたものですが、バイクでの移動を予定しているライダーも、約6割が気にしていることがバイクブロスのバイクリサーチで明らかになりました。
94人のライダーの投票による調査結果では、高速道路の渋滞情報を「とても気にしている」というライダーが約46%。渋滞の距離によって「気にする」と回答した人が約15%。一方、「バイク移動の時は気にしない」という回答は約23%で、バイクと言えども半数以上が高速道路の渋滞予測を気にしていることがわかりました。
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