掲載日:2016年01月18日 トピックス
記事提供/アウトライダー編集部
文/野岸“ねぎ”泰之 写真/鳴海 武史
※この記事は雑誌『アウトライダー』の連載企画『ツーハピ・ラボ』に掲載された内容を再編集したものです
※記事の内容は雑誌掲載当時のものです(アウトライダー vol.53 2012年3月11日発売)
諸君は出先でバイクが動かなくなったらどうする? 素直にロードサービスに頼むじゃと? まぁそれもよかろう。ただ、仲間がいれば近くのショップまでバイクで牽引してもらう、という手もアリじゃな。そう、実はバイクでの牽引は法的にも認められておるのじゃ。そこで今回はバイクでの牽引術をマジメに実験&検証してみることにしたぞ、ウォッホン。
まずは「ナニで引くか?」じゃ。法的にはヒモ状の丈夫なものなら何でもいいんじゃが、ザイルなどまともなロープ以外にも、ビニールひもやショルダーベルトなど、いろいろなタイプを用意してみたぞよ。
実験にあたっては一般的なロープ類以外にも、コンビニで買えるビニールひもやズボンのベルトなど、出先で入手できそうなさまざまな種類のひも類を準備した。
実際にバイク同士で牽引を行なう場合、ロープの素材選びとともに、ロープをどこにどうやって掛けるかが、けっこう重要になるのじゃ。マシンの形状は千差万別じゃが、大切なのはロープがバイクの中心に来るように結ぶ、ということ。場合によってはループを作って、そこにロープを結ぶという手も有効じゃな。忘れてはイカンのが、2台の間に白い布を下げるということじゃ。そして引っ張る際にはストレッチコードなど、伸縮性のあるものをどこかに必ず使うこと。これを怠ると痛い目に遭いかねんゾ…。
車両間には約30センチ四方の白い布を目印として掲示する必要があるゾ。
ショック対策の秘密兵器はストレッチコードじゃ。丈夫なものを使え!
フレームに通すと安心じゃ。
所員002号のBMW R100GSは引きやすい。
カウル付きはフォークが無難。
左右にずれないように注意。
後部キャリアもズレにくい。
バランスよく結ぶのが大切じゃ。
コレはダメ!! 片側のみはバランスが悪く危険。
さて、実際にバイク同士で牽引を行なう際には、引く側と引かれる側の「あうんの呼吸」が必要になるのじゃ。
前のバイクがアクセルを開けると、ロープがグッと伸びようとし、少しでもアクセルを緩めると、ロープもたわむ。後ろの者だけがビビッてチョイとブレーキを掛けようものなら、ロープにものすごい張力がかかるのじゃよ。要は常に小刻みに「張る、緩む」が繰り返されるわけじゃな。これは、百戦錬磨のワシでさえ、慣れないとかなり怖かった。それを緩和するのに、ストレッチコードが絶大な威力を発揮するのじゃ。あるとないとでは、まさに天国と地獄。悪いことは言わん、ふだんから準備しておくことじゃ。
もうひとつのポイントは「曲がり角」。ある程度スピードに乗ったカーブはいいんじゃが、交差点などの角ではスピードが落ちてギクシャクするし、どうしても互いの走行ラインがずれて、斜めに引かれることになるから、注意が必要なのじゃ。
特に後ろのマシンは先行車につられてグッと内側に引っ張られるので、倒れそうになる。ハンドルをしっかり持ってマシンを倒さず曲がるのじゃ!! 前後ともトレーラーのごとく大回りしたほうが安全と言えよう。
ロープの間隔は2メートルだと短く、5メートルだと長い。3.5メートル前後がいいかのぅ。やはり途中にパーツがない単純なロープが安心じゃ。万一途中でパーツが破損すると、ストレッチコードのせいで、まるでコントのゴムパッチンのごとく猛烈な勢いで部品が飛び、危険なのじゃ。これだけ気をつけて、あとは互いを信頼して運転すれば、牽引は決して難しくはないぞよ。
ツーリングバッグなどのショルダーベルトをつなぎ合わせた。短距離の実験では無事じゃったが、プラ部品の強度が心配じゃな。
コンビニや100円ショップにあるビニールひもは、 1重では簡単に切れたが5重にすればO.K.じゃった。まさに3本の矢の法則じゃな!
ビニールひもでも牽引成功じゃ!
緊急時には仲間のズボンのベルトをつなげばいい、と思ったが、少し走るとバックルをカシメている部分が崩壊し、ワシめがけて飛んできおった。けしからんゾ! とんだ企画倒れじゃったわい。
2輪自動車では2台以上牽引してはならん、と法律に明記してあるから、牽引は1台までじゃ。逆に4輪なら2台引っ張っていいらしいのが驚きじゃのう。
そして法で明確に禁止されていないようじゃが、バイクでクルマを引くのも、またその逆も危険すぎるので、やってはならんゾ!?
ではまた次回まで、さらばじゃ~!!(つづく)
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