掲載日:2015年12月15日 トピックス
記事提供/アウトライダー編集部
文/野岸“ねぎ”泰之 写真/鳴海 武史
※この記事は雑誌『アウトライダー』の連載企画『ツーハピ・ラボ』に掲載された内容を再編集したものです
※記事の内容は雑誌掲載当時のものです(アウトライダー vol.51 2011年11月11日発売)
11月も過ぎると朝晩はかなり寒くなるのう…。昔から、寒い日の信号待ちではエンジンに手を当ててグローブ越しに暖を取ったり、エンジンの上に缶コーヒーを載せて温めたりと、ライダーはよくやったものじゃよ…そう! このもっとも身近な熱源で調理ができれば、それこそが究極のライダー料理と言えるじゃろう。そこで今回は、ワシの愛車のエキパイを使って調理をしてみることにしたのじゃ。
エキパイを食器用洗剤とアルコールジェルで入念に掃除をしたのち、手始めに、スーパーで見つけたプリプリの三陸産イカを焼いてみた。アルミホイルなんて軟弱なものは使わず、直接くくりつけたのは言うまでもない。
アルコールで拭けば怖いものなしじゃ。た、たぶんな。
立派なイカを入手。覚悟せぇよ。
デカすぎてエキパイへの固定もままならん。
針金でエキパイの形に合わせて縛りつけてやった。伝説の怪物“クラーケン”のようじゃな。アクセルを煽って火力調節も出来るぞ!?
やたらいい匂いがそそるのじゃ。
と~っても上手に焼けたではないか!!
エンジンをかけるとイカのやつめ、1分もしないうちに縁日を思い出させる香ばしい匂いを発し、みごとに焼けたのじゃ。これでエキパイは簡易フライパンとして、おもしろいように何でも焼けることが判明。
バイクさえあればどこでも焼き物が楽しめるというわけじゃな。その後もベーコンや食パンなど焼きまくってやったが、食材がこびりついたエキパイの掃除が大変でのぅ、ワシとしたことが、最後はアルミホイルの誘惑に負けてしまったわい。
本当はタテにペタっと張って焼きたいところ。落下に備えて下には網を用意。
エキパイにぐっと押し付ければ食パンも焼けるぞ!!
“エキパイホットサンド”の完成じゃ。普通に食える。
シロウトはアルミホイルに包むのが無難じゃな。
オオッ!! 完璧な焼き色じゃ!! やはりアルミホイルは偉大じゃった。次は素直に使うとしようかの…。
バーナー類がなくても調理ができれば、荷物を減らしたいライダーには福音じゃろう。そこでもうひとつ挑戦してみたのが、河原の石を使った料理じゃ。秋田県、男鹿半島に伝わる「石焼料理」のパク…いや、再現である。
方法はすごいぞ、たき火で熱した石を鍋に放り込むだけじゃ。楽勝じゃろう。具はタラの切り身と白菜、もちろん長ネギーも投入じゃ。予想では石を入れたその刹那、魔法のように一瞬で汁が沸騰…のはずじゃったが、一応ジュワっと泡は出るものの、どうもパワーが足りん。おまけに、たき火の炎であぶったために、石が真っ黒に焦げて黒いススを汁と一緒にススるハメになってしもうたわい、ペッ!! タラもイマイチ火が通らず、白くならんのぅ。
当たり前じゃが、石は事前によ~く洗うこと。
結果的にこれは失敗例じゃな。石を焼く時は熾火に直接置くのがよいぞ。
いよいよ石を投入。最初はブクブクっと泡が立って、期待したんじゃがのぅ…。
思ったほど石の熱パワーが強くなかったようで、石4つでは生煮え状態じゃった。しかし次々に石を放り込めば、いつかは必ず食える…はずじゃ。
教訓。石は炎の無い熾火(おきび)の上でとことん熱するべし。そうすればススはつかない。そして、熱した石は予備弾のごとくたくさん準備しておくべし。熱が足りなくても次々に入れ替えて投入すれば、やがてアツアツじゃ。ちなみにこのあと、熾火の上に石を置いて鉄板代わりにしてベーコンを焼いたら、やたら美味かったぞ。
あまりにクヤシイので、平たい石を鉄板代わりにしてみよう、と思い立った。まずはキレイに洗うのじゃ。
熾火の上に石を置き、しばらくしたらサラダオイルを塗る。
ベーコンを載せてみた。遠赤外線効果か、燻製のようにじわじわ焼けてくる。食ってみると、適度に油が落ちて実に美味かったのであ~る。これは充分実用になりそうじゃぞ、エッヘン!! では次回も、ライダーのハッピーのためにがんばるかのぅ(つづく)。
愛車を売却して乗換しませんか?
2つの売却方法から選択可能!