2014 FIMトライアル世界選手権シリーズ第2戦 STIHL日本グランプリ

掲載日:2014年05月14日 フォトTOPICS    

文/河合 由起奈  写真/河合 宏介  取材協力/MFJ株式会社モビリティランド

今回の日本グランプリで2日とも優勝した、GASGAS FACTORYのアダム・ラガ選手。初日は2位のトニー・ボウ選手に16点差で圧勝した。

トニーをねじ伏せてラガが優勝
我らフジガスは初日3位に入賞

2014年4月26日(土)、27日(日)の2日間、栃木県にあるツインリンクもてぎで「2014 FIMトライアル世界選手権シリーズ第2戦 STIHL日本グランプリ」が開催されました。ここでは全日本選手権で活躍する日本のトップライダーたちも、スポットで世界に挑戦します。昨年の、そして7年連続の世界王者トニー・ボウ選手は肋骨、我らが藤波 貴久選手は膝を負傷していて、両選手とも痛み止めを使用しながら参戦という状況でした。

コースレイアウトは、ハローウッズの森を中心に、昨年よりもコンパクトになっていました。また、停止すると減点5で即競技中止という、特徴的なノーストップルールが採用されて今年で2年目です。これは12セクションを3周するという競技のスピード化には貢献していますが、プロとして観客を魅了するポイントが減ったとも感じます。たとえば観客は、セクション後半の難所でお気に入りの選手のトライを待っていても、前半で停止すると退場なので、姿を見ることすらできないケースもあるのです。

第1日目の午前中は爽やかな晴れでしたが、午後になると弱い雨が降り出し、そして落雷警報が出たため1時間ほどレースが中断しました。表彰台に登ったのは、優勝アダム・ラガ選手、2位トニー・ボウ選手、3位藤波 貴久選手でした。日本人選手では9位に黒山 健一選手、11位に野崎 史高選手、そして13位に小川 友幸選手が続きました。

フォトTOPICS(写真点数/29枚)

01スタートセレモニーで一番最初にコールされたのは、ゲスト参加の中村 道貴選手(IB)。緊張した表情で登壇したが、観客からの声援で笑顔になりピースサインを出した。

02第1セクションにトライ直後の藤波 貴久選手。2004年世界チャンピオンという、日本人最強のライダーだ。

03初日4位のアルベルト・カベスタニー選手は、緩急のあるシャープな走りで、他の選手とは違ったラインを攻略するので目が離せない。

04初日は11位。国際A級スーパークラスで活躍する野崎 史高選手の、第1セクションでのトライ。

05中央エントランスでは、実況アナウンスもあって本格的なレースの雰囲気『ストライダー・カップ』が開催されていた。もしかして、この中から将来の世界チャンピオンが出るかも!?

062012年から世界ランキング3位のゼッケンを手に入れたジェロニ・ファハルド選手。日本グランプリでは、両日とも5位という成績を残した。

07第2セクションで大岩にトライするアダム・ラガ選手。大きなボディアクションで難所をクリアする。

08黒いベストは王者の証、ゼッケン1番のトニー・ボウ選手。2007年から世界のトップを走り続け、表彰台に登壇する確率は脅威の100%! 今年は8連覇になるのか?

09自転車トライアルの元世界チャンプ、有薗 啓剛さんと守上 大輔さんによる、小学生向け自転車トライアル教室が開催されていた。オートバイトライアル選手の多くは、この自転車トライアル出身なのだ。

10第7セクションで、急斜面の途中にある大岩をクリアする藤波 貴久選手。この先の着地地点に余裕はなく、そのうえ右にターンしなくてはならない。

11もてぎ名物の岩盤エリアにある第4セクションのアダム・ラガ選手。今年は上部に位置する第11セクションとの間に歩道ができ、上からも観戦できるようになった。

12岩盤エリアは、垂直の崖を駆け上がるか滑落するような下りの設定になっていて、多くの選手がタイヤを空転させて5点減点されていた。

13その急角度に誰もが度肝を抜かれる、第4セクションで一番見どころの大岩。選手にとっては当然かもしれないが、観客にとっては不思議なことに、滑りやすい急斜面を助走区間にして登って行く。

14舗装路以外の歩道にはウッドチップが敷かれ、全部のセクションを簡単に歩いて観戦できるようになった。

15第10セクションで、岩の頂上に乗ってから、越えずに横へ飛び降りるトニー・ボウ選手。マインダーも「まさか!」といった表情で逃げていた。

16柴田 暁選手は、岩を乗り越えるラインを選択した。思いっきりリアタイヤをグリップさせながら、着地地点を探している瞬間のカット。

17岩から落ちる野崎 史高選手。こんな状況でもハンドルから手を離さないのがトライアル選手の特徴だ。

18朝一番なので人が少ないけれど、中央エントランス広場には、ご当地B級グルメや軽食の屋台が並ぶ。この他にも、トライアルショップの物販やHRCの車両展示ブースもあった。

19『コチラレーシング』の特設ブースでは、実際の車両に乗ることができた。また、サーキットや街中で働く車も展示され、一部は乗車体験もできた。

201997年の世界選手権で日本人初の優勝をした黒山 健一選手。上体を反らせた姿勢は、リアタイヤを岩に押しつけてグリップさせるためだ。そして、乗り越えた先のほとんど助走がない場所から、もうひと岩を越えなくてはならない。

21膝をぐっと落とし、上体を伏せて、アクセル全開で駆け上がるアルベルト・カベスタニー選手。

22第7セクションで坂を下る斉藤 晶夫選手。この後、ホイールスピンでリアタイヤの泥を落とし、大岩にトライするセクションだ。

23斜面の途中にある、こんな角度の障害物を、設計する方も登る方もどうかしている。そんな第6セクションをトライする柴田 暁選手の勇姿。

24第8セクションの岩を登り、ステップから足を外して必死にバランスをとる小川 友幸選手(2013年全日本チャンピオン)。

25夕陽を背に、最終12セクションを走るアルベルト・カベスタニー選手。まるでカモシカのように岩の斜面を自由に駆け回るのだ。

263ラップ目、最終12セクションをトライする藤波 貴久選手。次の大岩で登りきれず減点5、しかし45点で3位に入賞した。

27トライアル世界選手権は、『ワールドプロ』クラス、23歳以下の『ジュニアワールド』クラス、125cc未満の『125cc』クラスとそれぞれ表彰式がある。まずは『125cc』クラス、優勝ガエル・シャテノ選手、2位はノエ・ピレタニ選手、3位ティオ・コレイオ選手。

28『ジュニアワールドカップ』クラスは、優勝ファメイ・ブスト選手、2位スティ-ブン・コクラン選手、3位カーレス・デ・コーデムバーグ・クエンティン選手。

29メインイベントの『ワールドプロ』クラスは、優勝アダム・ラガ選手、2位トニー・ボウ選手、3位に藤波 貴久選手となった。

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