大幅な軽量化に貢献し安定した性能を発揮

掲載日:2011年07月26日 オフロードアイテムレビュー    

大幅な軽量化と省スペース化に貢献する超軽量リチウムバッテリーが登場した。

 

写真/酒井一郎、長谷川徹、田島真一  レビュワー/石井正美、小川浩康

 

 

[ アイテム紹介 ]

セルスターターの搭載はトレールバイクでは不可欠なものになっているが、ここ最近はエンデューロレーサーへの搭載率も高まっている。すばやくエンジンを再スタートし、体力消耗を防ぐにはセルスターターの効果が絶大だからだ。そうしたメリットを知りつつも、敢えてキックスタートオンリーのモトクロッサーをエンデューロに使うライダーも少なからずいる。それはセルスターターを動かすにはバッテリーを搭載しなければならず、そうした重量増を嫌うからだ。
しかし、そんな悩みを解決するアイテムが登場した。それがこのMSeR(エムザ)-Rだ。酸素や水素といった可燃物を放出しないリチウム燐酸鉄電池を使用したリチウム電池の一種として開発され、有機系電解液を使用することでマイナス30℃といった極低温環境下でも始動可能。自然放電も少なく長寿命化も達成。そして通常のバッテリーの1/4となる320g という軽さを実現。安定した始動性を確保しつつ、大幅な軽量化も実現してくれる。日本製ならではの品質の高さも特徴だ。

 

 

[ レビュー ]

レジェンド石井氏のハスクバーナTE250にMSeR-Rを搭載し、JNCC爺ヶ岳大会に出場。実戦を通して性能を評価してもらった。「純正のバッテリーは大きくて重く、レース中にズレて端子がダメになってしまったんだ。JNCC第1戦はそれが原因でリタイアしてしまったから、早くこのバッテリーを搭載しておけばよかったよ。マシンの押し引きでも軽くなったのが分かるし、実際に走ってみるとリヤまわりの軽さが確実に体感できる。
レースで使ったバッテリーは、レース前の練習から使っているけれど、弱った感じは一切ないし、エンジンのかかりもよくなった。つねに安定した性能を発揮してくれるし、信頼性もあると言えるね。軽量化のためにサイレンサー交換することがあるけれど、コストパフォーマンスを考慮すると、このバッテリーに交換するほうがメリットは大きいと思うよ」と、バッテリートラブルでリタイアしたことがある石井氏も大絶賛。価格は通常のバッテリーの約2倍だが、軽量化と寿命の長さを考慮すれば、むしろ安いと言えるだろう。

 

 

[ アイテム詳細 ]

①通常のバッテリーとの比較図。体積比、重量比ともに1/4になっているのが一目瞭然

 

②ケースに入ったiPHONEとの比較図。MSeR-Rのほうが幅はあるが、それ以外はほぼ同じサイズになっている。電圧と容量は13.2V2.3Ahを実現。最大充電可能電流は10A、充電電圧は14.6V。最大放電可能電流量は連続40Aで瞬間120A、使用可能放電電圧は10V(8V以下にしないこと)となっている。専用充電器を使用すれば、万一の放電時でも最速30分で充電可能となっている

 

③TE250に搭載したところ。バッテリー上部にテーピングし、防水対策を施す必要がある

 

④省スペース化できるので、クリーナーボックス容量を減らすことがない。手を入れやすいので作業効率も損なわない。オープンエリア(0562-92-7047)、ガレージビアーズ(0466-28-2737)で購入できる

 

 

[ 商品情報 ]

Wings

MSeR-R

価格/2万2680円

重量/320g

サイズ/タテ71mm×ヨコ106.5mm×幅27mm

素材/リチウム燐酸鉄電池 ※競技専用品

 

 

[ お問合せ ]

ウイングス

TEL/072-229-0800

 

 

[記事提供]

ガルル編集部

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