

掲載日:2013年03月08日 試乗インプレ・レビュー
取材・写真・文/田宮 徹
かつてはオフロードシーンを中心としたピュアレーシングブランドとして活躍し、2012年には公道走行へと完全に的を絞ったヌーダ900シリーズを投入して、大型ストリートモデルのジャンルへも挑戦を開始したハスクバーナ。その第2弾とも言えるシリーズが、2013年モデルとしてデビューを果たしたTR650シリーズだ。
排気量652ccの水冷単気筒エンジンをスチール製フレームに搭載したこのTR650シリーズは、デュアルパーパスタイプのTR650 テラと、ストリートモタード的なTR650 ストラーダという2機種でラインナップが構成されている。今回試乗したのは、このうちのテラ。軽快なシティランだけでなく、フラットダートなどでのアグレッシブな走りも期待出来るモデルだ。
ところで、ハスクバーナはスウェーデンで誕生し、1986年にイタリアのカジバ、2007年にはドイツBMWの傘下となった。さらに2013年1月末にはそのBMWが、オーストリアのピーラー・インダストリー社に売却を決定。この会社はKTMの親会社で、つまりハスクバーナは今後、KTMと密接な関係を持つ事になる。
しかし、この決定前に設計が進められていたTR650シリーズに使われるエンジンは、これまでの親会社だったBMWのG650GS用をベースとしている。しかもこのエンジンは、オーストリアのロータックス社が基本設計を施したという歴史がある。BMWが改良したエンジンを、ハスクバーナがさらにチューンしたというわけだ。
TR650シリーズへの搭載にあたっては、シリンダーヘッドを始めとし、ピストン、クランク、カウンターバランサーシャフトまでもが変更され、バルブ系の拡大やカムシャフトの専用プロファイル化も実施されている。これらの改良により、振動を抑えながらもG650GSの48馬力を大きく上回る58馬力の最高出力を誇る。そしてこのチューニングが、TR650 テラの小気味よい走行フィーリングへと、大きく貢献している。
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