

掲載日:2010年11月25日 試乗インプレ・レビュー
KLX250は「闘う4スト」として一時代を築いたエンデューロレーサーをルーツに持つデュアルパーパスモデルだ。初代KLX250SRはクラス最強と言われたエンジンとレースで勝てるポテンシャルを持ったシャーシを与えられ、極めて戦闘的なキャラクターとして登場した。そのパッケージングはそのままに、時代の要請に合わせて熟成進化を重ねた末裔がこのモデルである。
パワフルな水冷DOHC4スト単気筒エンジンは08年モデルからFI化され、安定した始動性と低燃費を獲得。加えてマフラー内のハニカムキャタライザーと2次エア導入システムによりクリーン排気も実現。中高回転域での鋭いレスポンスと伸び切り感と、低速から全域で扱いやすくスムーズなパワー特性を両立しているのが特徴だ。また、ギヤ比もFI化に合わせて変更され、オンとオフ両方でエンジンのポテンシャルを最大限発揮できる設定とし、トランスミッションもカム形状を変更することで正確なシフトフィールを得られるよう改良されている。
車体はカワサキ伝統の角断面高張力スチール製ペリメータフレームと新型のD型断面のアルミスイングアームの組み合わせ。軽量化と剛性バランスの最適化を図っている。また、足回りのチューニングによりオフロード性能とオンロードでの扱いやすさを両立させているのもポイント。サスペンションはフロントに16段階の圧側減衰力調整機構を持つインナーチューブ径φ43㎜のカートリッジ式倒立フォークを採用。リヤには別体リザーバータンク付きガス充填式モノショックにフルアジァスタブル調整機構を搭載したユニトラック式サスペンションを装備。路面追従性とダートでの走破性を高めている。また、新たな装備としてレーサーKXタイプのチェーンアジャスターを採用してドライブトレーンのパワーロスを低減するとともに、リヤサスのリンケージと減衰力の最適化により前後のピッチングを低減。直進安定性とコーナリング性能を高めている点も見逃せない。確実かつコントローラブルな制動力を発揮するブレーキシステムはフロントに250㎜ディスク+ツインピストンキャリパー、リヤに240㎜ディスク+シングルピストンキャリパーの組み合わせ。現行モデルには表面積を増やして冷却効果を高めるペタルディスク形状を導入するとともに、レバー比やパッド材質の見直しを図ることで性能向上も図られた。
外観も全体的にエッジを効かせたシャープなボディラインとなり、リフレクタータイプの2灯ヘッドライトやデザインされたテールランプ、デジタル式マルチメーターの採用など、視認性の向上とともに見た目のグレード感も高められている。カワサキを代表するオフロードモデルとして、相応しい装備群だと言えよう。
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