KTM 990ADVENTURE – 冒険するための最高性能

KTM 990ADVENTUREの試乗インプレッション

見た目だけでは計り知れない汎用性
どこまでも走れるアドベンチャーマシン

さて、気になるインプレッションだが、最初に「見た目にだまされてはいけない」と言っておきたい。見るからに大きい車体、ハイパワーなエンジン、そしてオフを考慮した高めのシート高とくると、乗りにくいのではないかと敬遠するライダーもいるかもしれないが、990アドベンチャーはおどろくほど「乗りやすい」。高速道路での快適性は言わずもがな、普通の街乗りでも走り出してしまえば持て余すことはほとんどない。想像していた重い操作感などなく、軽快な走りを楽しむことができる。さすがに250ccモデルのように…とは言わないが、ひらりひらりとコーナーを駆け抜けるフィーリングは、このバイクの大きさを感じさせない。さすがに、混雑する真昼の23区内では取り回しや足つきが若干厳しくもあったが、それ以外では高速道路からワインディング、市街地まで、特に苦手と感じるステージは存在しなかった。

また、実際に荷物を積んでの走行も試してみたが、一泊程度のバッグでは、走行安定性への影響は感じられない。おそらく、相当なロングツーリングでも、これだけのパワーと安定感があれば苦にならないだろう。撮影機材を積んだまま一日中首都圏を走り続けたが、「まだもう一回いけるんじゃないか」というくらい疲れなかったのは、さすがロングツアラーの代表的マシンと言われるだけのことはある。今回のインプレッションでは残念ながらダートに持ち込むことが出来なかったが、聞くところによると相当なペースで走っても問題ないという。990アドベンチャーなら、日本国内の道路ならほとんどの場所を楽しめるはず。このバイクならどんな場所でも旅できるのではないか、そう思わせてくれるだけの実力を持っていると言えるだろう。