掲載日:2008年08月08日 試乗インプレ・レビュー
構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
990アドベンチャーは、とにかく大きい。はじめて見たライダーはまずそのサイズに圧倒されるだろう。しかし、その大柄なボディの中には、ロングツーリングを快適にする機能が詰め込まれている。エンジンは水冷DOHC4バルブ75度V型2気筒を採用。これにケイヒン製の専用シーケンシャル・フューエルインジェクションを組み合わせることで、98ps/8500rpmを達成している。サスペンションには前後ともに、著名なサスペンションメーカーWP製のフルアジャスタブルを採用。WPは現在KTM傘下となっており、車体とのマッチングを徹底的に追及。このため、KTMのマシンはアドベンチャーに限らず、サスペンションの評価が高いのが特徴だ。ブレーキはブレンボ製を採用するとともに、オプションでキャンセル機能付きABSシステムにも対応。199kgの車体を確実にコントロールするだけの性能を確保している。ここまででも、並みのスポーツモデル以上の充実した装備と言えるだろう。
車体側は空力を考慮したフルカウルボディに、22リットルのビッグタンクを搭載。多機能のデジタルメーターとの組み合わせは、まさにアドベンチャーマシンといった様相だ。ハンドルはレンサルのアルミ製テーパータイプを採用しており、純正だと鉄ハンドルの多い国産モデルに比べ、格段の高級感がある。また、ロングツーリングモデルということで、標準でキャリアを装備しているほか、メーカーオプションでパニアケースにも対応しており、積載に関してもスキの無い造り込みだ。ただ、シートは形状こそ快適なものの、高さが860mmと少々高く、女性や身長の低いライダーだとネックになる可能性がある。しかし、総じて見ればロングツアラーとしての完成度は非常に高いと言えるだろう。