

掲載日:2007年12月19日 試乗インプレ・レビュー
構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
フロントにボリューム感が集まるTDMのスタイリング。しかし、車格のわりに低めに設定されたシート高のおかげで、乗り降りはスムーズ。跨ってエンジンをかけてみると、まずは非常に静かな音に驚かされた。数回空ぶかしをしてみると、ツインらしいフィーリングを残しながら、非常にマイルドに吹け上がる感じ。やや挑戦的なスタイルに見えるTDMだが、エンジンのフィーリングに関しては「ジェントル」という言葉がふさわしいように思えてきた。押し引きをしてみると、心地よい裏切りがもうひとつあった。それはスタイリングから想像するマシンの重さが感じられないこと。車高のわりに幅が狭めなハンドルなのだが、押し引きだけでなく、切り返しも軽い感じ。その走りにも期待が高まってくる。
まずは市街地をゆっくり流し始めてみると、やはり最初に感じたのはマシンの軽さだった。「ジェントル」なエンジンは極低速でも扱いやすく、クルマとクルマの間を抜けながらのストップ&ゴーも不安なし。幅が狭めなハンドルが、逆に安心感につながってくるほどだ。市街地を抜けてワインディングへと足を伸ばしてみる。アクセルをやや開け気味にして各ギヤで引っ張ってみると、ツインらしさが薄れてくるものの、塊感のある加速が味わえる。スムーズでありながら、「気が付いたらスピードが出ている」ではなく、「開けたぶん加速している」感じが味わえるのだ。コーナーにさしかかっても、入り口での倒し込みの感じ、バンク中の安定感、立ち上がりの気持ちよさなど、キング・オブ・マウンテンロードの名にふさわしいもの。スーパースポーツのようなエッジ感こそないが、TDMが持つ抜群の安定感と楽しさは、唯一無二のものだと感じられる。
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