

掲載日:2007年06月27日 試乗インプレ・レビュー
言うまでもないが、モタードモデルとは単にオフロード車の足まわりにロードタイヤを履かせたものではない。まずはエンジンから。1997年に国内仕様が登場したエンデューロレーサーXR400R(公道走行不可のオフロード競技専用マシン。※参照)から受け継いだパワーユニットは、ブラックアウトされた空冷4ストローク単気筒エンジン。オフロードモデルならではの粘り強いパワー特性を持つSOHC4バルブエンジンは、キャブレター口径(XR400の36mmに対し34mm)やミッションのギア比を専用設定することで吸排気効率と加速性能を向上。低中速域で扱い易い出力特性を実現しながらも、高回転域までスムーズに吹け上がる、オンロードにも対応した味付けが施されている。
足まわりはフロントに43mm径の倒立フロントフォーク、リアには圧側22段階、伸び側24段階の減衰力調節機構を持つピギーバック型プロリンク式サスを採用。高い衝撃吸収性と軽快な操作性を実現した。ブレーキはフロントに276mm、リアに220mmの大径ディスクローターを採用し、制動力とコントロール性を飛躍的に向上。タイヤは前後輪に17インチの140mm幅のラジアルタイヤを装着し、軽量なDID製アルミワイドサイズリムと組み合わせることで、オンロードでの高次元なライディングに適応させた。17インチタイヤの採用に合わせて専用設計したセミダブルクレードルフレームは、ヘッドパイプまわりなどフレーム各部を強化。高い剛性を確保することで安定した旋回性を確保している。黒ボディの場合は赤フレーム、赤ボディの場合は黒フレームと、ボディカラーにより塗り分けている点も見逃せない。ワンタッチクリップ式サイドカバー、さらにビスカス式エレメントの採用により、エアクリーナーの整備を容易に。サブフレームも脱着式とし、整備性も配慮していることがうかがえる。さらにアルミ製リアマスターシリンダーガード、分割式クラッチレバーブラケット、ワイヤーロック付きテールバッグ、スチール製ガソリンタンクキャップ、盗難抑止に効果を発揮する強化ハンドルロック機構と強化キーシリンダーなど、ディテールもXRモタードシリーズのフラッグシップに相応しい上質の内容だ。
※XR400:国内仕様としては1997年に登場し、2001年に姿を消したエンデューロレーサー。国内外の数々のレースシーンで活躍したオフロードコンペティションモデル。
世界のエンデューロレースシーンで培われた技術をベースに、アスファルトでのパフォーマンスを追求した専用セッティングを施した空冷エンジン。400ccならではの沸き上がるような中回転域のトルク特性を追求した。
工具いらずのワンタッチクリップ式で、サイドカバーは簡単に脱着が可能。お手軽なビスカス式エレメントを採用し、エアクリーナーの交換もスピーディに行える。整備性の高さも大きな魅力だ。
フォークは倒立式を採用し、高次元の操舵性と操縦安定性を獲得。245mmのストロークを確保し、衝撃吸収性に優れる。ブレーキは軽量かつ高剛性のキャリパーと焼結パッド、276mm径ローターを組み合わせる。
リアには圧側22段階、伸び側24段階の減衰力調整機構を持つピギーバック・モノショックを装備。フレームは強度と重量とをバランスさせたセミダブルクレードル。エンジンはスイングアームピボットと同軸にマウント。
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