掲載日:2012年05月14日 オフロードFAQ › オフロードバイクの疑問
グリスは種類が多く、熟知するのは難しいです。
基本的なモノだけ覚えておきましょう。
そもそもグリスには基本的に、潤滑、防錆、シーリング、異音やネジかじりの抑止などの効果があります。バイクの世界で、もっとも一般的なグリスアップ作業といえば、ドライブチェーンへのグリス注油。最近では、チェーングリス、チェーンルブ、チェーンオイルなどのさまざまな名称で呼ばれる、バイク用チェーン専用の潤滑剤を使うことが薦められています。というのも、現在のバイク用チェーンには、作動性を高めるシール素材が使われていて、一般的な潤滑剤やグリスの中には、これを侵してしまう成分が含まれているモノもあるため。シールチェーンのグリスアップには、必ず対応潤滑剤を使うようにしましょう。
このほかのグリスには、リチウムグリス、ウレアグリス、モリブデングリス、シリコングリスなどがあります。リチウムグリスは、耐熱性や耐水性に優れ、ホームセンターなどではよく万能グリスとして売られていますが、ゴムには若干の影響があるとされています。ウレアグリスは、耐熱性、耐水性に加えて耐圧性の点でもリチウムグリスより優れていて、他のグリスの性能を補うときにもよく使われます。モリブデングリスは、リチウムグリスやウレアグリスにモリブデンという粉末を混ぜたもの。モリブデンにも潤滑性があり、油分が切れた場合でもモリブデン粒子が残るため、ネジのかじり抑止にもお薦め。ゴムへの攻撃性は、ベースグリスに依存します。一方で、ゴムや樹脂へのダメージがなく、高い耐熱性と耐水性も与えられているのがシリコングリス。金属同士の潤滑効果はそれほど高くなく、耐久性は少し劣りますが、とても使いやすいグリスです。
これらを、適材適所で使うことが、グリスアップのコツ。ホームセンターなどで少量ずつ買ってみて、まずはいろいろと試してみてはどうでしょう?
文/田宮 徹
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