
掲載日:2013年07月04日 エクストリーム › モトクロス
文・まとめ/宮本 将平
先週のラウンド5、バッズクリークではライアン・ビロポート(カワサキ)、ライアン・ダンジー(KTM)の両トップライダー1-2、2-1というリザルトで他のライダーを圧倒した。彼ら二人の強さはシーズン開幕当初から際立っていたが、ここへ来てそれが顕著となっている。450クラスルーキーのジャスティン・バーシア(ホンダ)も多くのラウンドでポディウムフィニッシュをしているが、優勝するまでには至っていない。だが、今回のラウンド6、サウスウィックは他のラウンドにはないディープサンドのトラックで、一昨年は450クラスへスポット参戦していたバーシアがモト優勝を果たしたトラックでもあるため、いつもとは違う展開もあり得るようなラウンドとなっていた。
モト1(30分+2周)、ホールショットはジェイムズ・スチュワート(スズキ)、背後にはアンドリュー・ショート(KTM)、フィリップ・ニコレッティ(ヤマハ)が着けたが、なんと1コーナーでランキングトップのビロポートが痛恨のクラッシュを喫し、ほぼ最後尾からのレースとなってしまった。スチュワートは抜群のスピードで後続からぐんぐんリードを広げていく。一方、スタートで前に出る事の出来なかったダンジーもハイスピードでラップを重ね、レース中盤には5位までポジションをアップさせていた。ラスト10分、ここまで快調にトップを走っていたスチュワートが荒れた路面でバランスを崩しハイサイドクラッシュ、ここでDNF(リタイア)となってしまう。代わりにトップに立ったのはショート、そしてなんと2位にはこのレースがシーズン初レースとなるブレット・メットカーフ(カワサキ)が着けるが、後方から追い上げてきたダンジーがあっさりとメットカーフをパスし、2位へ。ラスト2ラップ、2位へポジションをアップさせたダンジーはついにトップのショートを捕らえ、そのままトップでチェッカーを受けた。2位にはショート、3位にはこちらも追い上げのレースとなったバーシア、そして4位にはスタート直後のクラッシュから驚異的な追い上げを見せたビロポートが入った。
モト2、ホールショットはビロポート、その後にダンジー、バーシア、スチュワートが着ける。ビロポートはモト1の鬱憤を晴らすようなハイスピードでラップを重ね、後続を徐々に引き離していく。しかし、一度はリードを広げられたダンジーが再びリードを縮め、レース中盤にはビロポートの2秒後方まで迫っていた。一方、3位争いはバーシア、スチュワートの間でレース後半まで繰り広げられていたが、このトラックには自信を持っているバーシアが3位を譲る事はなかった。ラスト3ラップ、ここまでビロポートに食い下がっていたダンジーだったが、徐々にリードを広げられ、その差は約10秒まで広がっていた。結局ビロポートがスタートから一度もトップを譲る事なくチェッカーを受け、今シーズン9勝目をマーク、2位にはダンジー、3位にはバーシアが入った。
今回のラウンド5サウスウィックでもビロポート、ダンジーの2人が驚異的なスピードでオーバーオール1、2位を独占したが、ビロポートはモト1でのクラッシュの影響で4-1、逆にダンジーは1-2でフィニッシュし、2ラウンド連続でダンジーが、オーバーオールウィンを手にし、これにより彼らのポイント差は12へ縮まった。中盤戦を迎えたこのクラスは、まだまだ面白い展開が続きそうだ。
順位 | 総合 | ゼッケン | ライダー名 | チーム名 | メーカー | |
1 | 1-2 | 1 | R・ダンジー | Red Bull KTM | KTM | |
2 | 4-1 | 2 | R・ビロポート | Monster Energy Kawasaki | Kawasaki | |
3 | 3-3 | 51 | J・バーシア | Team Honda Muscle Milk | Honda | |
4 | 5-6 | 24 | B・メットカーフ | Metty24 Racing | Kawasaki | |
5 | 2-16 | 29 | A・ショート | BTO Sports KTM | KTM | |
6 | 10-8 | 28 | T・ラトレイ | Monster Energy/Pro Circuit/Kawasaki | Kawasaki | |
7 | 6-13 | 49 | P・ニコレッティ | N-Fab Yamaha | Yamaha | |
8 | 8-12 | 800 | M・アレッシ | Motoconcepts Racing | Suzuki | |
9 | 11-10 | 20 | B・ティックル | RCH Suzuki | Suzuki | |
10 | 13-11 | 33 | J・グラント | JGRMX Toyota Yamaha | Yamaha |
順位 | ゼッケン | ライダー名 | ポイント | メーカー | |
1 | 2 | R・ビロポート | 283 | Kawasaki | |
2 | 1 | R・ダンジー | 271 | KTM | |
3 | 51 | J・バーシア | 219? | Honda | |
4 | 41 | T・カナード | 169? | Honda | |
5 | 800 | M・アレッシ | 158 | Suzuki | |
6 | 7 | J・スチュワート | 140 | Suzuki | |
7 | 28 | T・ラトレイ | 119 | Kawasaki | |
8 | 20 | B・ティックル | 94 | Suzuki | |
9 | 29 | A・ショート | 110 | KTM | |
10 | 12 | J・ワイマー | 109 | Kawasaki |
ブレイク・バゲット(カワサキ)が昨年のような圧倒的な強さで今シーズン初のオーバーオールウィンを果たしたラウンド5、バッズクリークから1週間、今週はディープサンドトラックで有名なサウスウィックでラウンド6が開催された。バッズクリークでは、バゲットにとってこれ以上ポイントを失ってはタイトルが難しい状況の中での勝利だっただけに、この勝利は賞賛に値するだろう。
モト1、ホールショットはウィル・ハーン(ホンダ)、その背後には今シーズン初のアウトドアレースとなったジミー・デコティス(ホンダ)、さらにはランキング2位のイーライ・トマック(ホンダ)が続いた。その後もハイペースでラップを重ねたハーンだったが、好調のトマックがあっさりとトップを奪う。トマックはハイスピードでラップを重ねるが、パスされたハーンはマシントラブルでDNFとなってしまう。一方、スタートで出遅れてしまったポイントリーダーのケン・ロクスン(KTM)は、徐々にポジションをアップさせ、レース中盤にバゲットに次ぐ3位までポジションをアップさせる。ランキング3位のマービン・ムスキャン(KTM)はスタートでミスをし、後方からのレースとなるが、なかなかペースを上げる事が出来ず、残り10分の時点で未だ10位以下に沈んでいた。残り7分、後方から徐々に追い上げていたロクスンがついに2位のバゲットの背後まで迫り、ここからバー トゥ バーのバトルが開始されるが、ラスト2ラップでロクスンが転倒し、バゲットが単独2位のポジションを確立する。その後レースは大きな動きのないままチェッカーが振られ、トマックが今シーズン4勝目をマーク。2位にはバゲット、3位にはロクスンが入った。
モト2、ホールショットはロクスン、背後にはデコティス、ムスキャンが着ける。モト1のウィナー、トマックはスタートに失敗し、10位前後からのレースとなってしまった。トップのロクスンはハイペースで周回を重ねるが、デコティスのペースがなかなか上がらず、早々にムスキャンが2位に上がり、KTMの1、2体制でレースが展開されることになる。一方、その後方6位のカニンガムから10位のシアンサルーロまでの間では壮絶なバトルが繰り広げられていたが、レース中盤にはその中からトマックが抜け出し、さらには、ななかなペースの上がらないムスキャンまでもパス、4位のアンダーソンの背後に迫っていた。その後、トマック、アンダーソンのバトルは、2位のオズボーンまで巻き込むビッグバトルに発展。結局、トマックがアンダーゾン、オズボーンをパスし2位へ浮上する。しかし、ここからトップまでの差は大きく、ロクスンがトップでチェッカーを受けた。
今回のラウンド6ではモト1のウィナー、トマックがモト2でも2位に入り、1-2でオーバーオールウィンを果たした。しかし、ランキングトップのロクスンも3-1でしっかりとポイントを獲得したため、ポイントランキング上でのトップ争いに動きはなかった。一方、モト1で2位に入ったバゲットが、ランキングで1ポイント差ながらムスキャンをパスし、3位へ。ここまでのところ4位のムスキャンまでがタイトル争いに食らいついている状況だが、今後もこの4人を中心にシーズンが進む可能性が高く、まだまだチャンピオン予想は難しそうだ。
順位 | 総合 | ゼッケン | ライダー名 | チーム名 | メーカー | |
1 | 1-2 | 17 | E・トマック | GEICO Honda | Honda | |
2 | 3-1 | 94 | K・ロクスン | Red Bull KTM | KTM | |
3 | 5-3 | 338 | Z・オズボーン | GEICO Honda | Honda | |
4 | 2-8 | 1 | B・バゲット | Monster Energy/Pro Circuit/Kawasaki | Kawasaki | |
5 | 6-4 | 21 | J・アンダーソン | Rockstar Suzuki | Suzuki | |
6 | 8-7 | 43 | C・シーリー | Troy Lee Design/Lucas Oil/Honda | Honda | |
7 | 13-5 | 38 | K・カニンガム | StarRacing | Yamaha | |
8 | 10-9 | 25 | M・ムスキャン | Red Bull KTM | KTM | |
9 | 9-12 | 292 | A・シアンサルーロ | Monster Energy/Pro Circuit/Kawasaki | Kawasaki | |
10 | 12-11 | 37 | A・マーティン | Rock River Yamaha | Yamaha |
順位 | ゼッケン | ライダー名 | ポイント | メーカー | |
1 | 94 | K・ロクスン | 265 | KTM | |
2 | 17 | E・トマック | 258 | Honda | |
2 | 1 | B・バゲット | 223 | Kawasaki | |
4 | 25 | M・ムスキャン | 222 | KTM | |
5 | 338 | Z・オズボーン | 185 | Honda | |
6 | 21 | J・アンダーソン | 161 | Suzuki | |
7 | 38 | K・カニンガム | 131 | Yamaha | |
8 | 77 | J・マーティン | 124 | Yamaha | |
9 | 34 | J・ボーグル | 122 | Honda | |
10 | 175 | C・ウェブ | 113 | Yamaha |
WEB・GRAPHIC DESIGNER/PHOTOGRAPHER 元プロMXライダー。トランスワールドMX編集部を経て、同社でデザイナーとして勤務。退社後に独立、いわきで バンザイマガジン (FMXフリーマガジン)を立ち上げ、編集長を勤めている。
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