第2回 カワサキW650キャストホイール化【Z400J用装着編】

掲載日:2015年10月30日 週刊メンテナンス講座    

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※この記事はモトメンテナンス102号に掲載された内容を再編集したものです

カワサキW650キャストホイール化の画像

高騰するキャストホイールをなんとか入手
いよいよチューブレス化スタート

キャストホイール装着にあたっての条件は、まず、フロント19、リア18インチのサイズは変更しないこと。ホイールサイズが変わると車体の姿勢が変化して、乗り味が変わってしまいます。「とりあえず前後17インチにしたけど、乗ってどうなのかは良く考えてないっす。でも超曲がるっす」みたいな高校生のりの危険なカスタムは避けたかったのです。

もう一点は、フロントディスク、リアドラムのブレーキ構成は変えないことです。リアをディスクブレーキ化すれば、スイングアームにキャリパーサポートを増設したり、リザーバータンクを設置したりしなければならないため、車体加工が必要となります。できれば気軽にスポークホイールに戻せる仕様が好ましかったのです。

最後は見た目の問題でした。前後異なるデザインのホイールは、あからさまです。なるべく純正然とした佇まいは残したいところ。また、アクスルシャフト径が同じ方が圧倒的に換装の手間が少ないのは当然です。そう考えると、同じ寸法関係である可能性が高いカワサキ車の純正ホイールから探すしかないでしょう。

カワサキW650キャストホイール化の画像

【左】フロントホイールはZ400LTD用として出品されているものを購入しました。リム幅1.85インチでW650純正リム2.15よりワンサイズ細くなります。装着タイヤは純正110/90-19から100/90-19に細くする予定です。
【右】リアホイールのリム幅も純正2.75から2.15にダウン。タイヤは130/80-18から120/90-18に変更予定。リアフェンダーとタイヤの隙間が気になるので90扁平が丁度良い気がします。タイヤが細くなれば軽快感が出て楽しくなりそう!!

フロント19、18インチでリアドラムのカワサキ車、しかも車重の近いモデルといえば、決して多くはありません。様々調べた結果、ただ一台条件を満たすのがZ400Jでした。結果的には、当初の目論み通り、このZ400JのホイールがW650のキャストホイール化にぴったりだったのです。さっそく、中古ホイールを現代の解体屋、ネットオークションで探してみました。ところが、Z400FXやZ400LTDなどさまざまな機種で同じものを採用するフロントはまだしも、Z400Jにしか使われていないドラムブレーキのリアホイールの出品数は少なく、非常に高額でした。どうやらZ1/Z2のキャスト化に使う人がいるようですね。

それでもなんとかかんとかホイールを前後入手し、今回は仮フィッティングを行ないました。結論を言えば、装着はホイールカラーの前後左右の4つ。それとフロントローターのマウントを一つ製作すれば可能でした。なななんとそれ以外に何の加工も必要なかったのです。このままホイール換装してしまっても良かったのですが、ホイール自体のお色直しとタイヤを交換もせねばならないため、実装着はまたの機会に。でも、キャストホイールのW650、意外にも格好良くないですか? カワサキの方、カフェスタイル特別仕様のW800にキャストホイール車を設定してみるのはいかがですか? でも、少し不安に思ったけど、そもそもこのZ400Jのホイールってチューブレスだったっけ?

カワサキW650キャストホイール化の画像

フロント、リア共にアクスルシャフト径はW650と同一で万々歳。合わない場合はベアリングやディスタンスカラーまで交換しなければならないので、手間がかかります。

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W650は速度をフロントスプロケからとっているので、メーターギア取付けの事を考えなくても済むのが良いです!! まず、Z400Jのホイールを仮付けしてホイールセンターを出します。

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アダプターとホイールの固定ボルト穴は、ボルトの頭が飛び出さないようにサイズを調整して、段付穴に加工します。次にW650のローターボルト位置に穴を開けてネジを切ります。

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ローターボルトは首下ネジ山の切られて無い部分が位置決めの役目を果たしているため、ネジを切った後、ネジ穴の入り口をボルト首下の太さに合わせて拡大加工しておきます。

カワサキW650キャストホイール化の画像

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Z400JのホイールにW650のローターをフィッティングするためにはアダプターが必要。このアダプターとホイールカラーの製作はすべて編集長の旋盤で作ってもらいました。

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アダプターには、Z400Jホイールのローターマウントボルト穴のPCDに合わせて穴を開け、ホイールとボルト固定した上で、さらにW650ローターのボルト穴のPCDに合わせてネジを切ります。

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W650よりZ400Jのローター内径は4mm広いため、2mmのドリルを2本入れてセンター出しをした上で、Z400Jのローターボルト穴の位置でマーキングの上、アダプターに穴を開けます。

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リア側もやはり、スイングアーム内幅のセンターがホイールセンターに来るように調整します。リア側は、ホイールがセンターに位置しつつ、チェーンラインが出る必要があります。ホイールセンターからカラーまでの距離を計測してみたところ…。

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左右のカラーを新規製作するだけで、チェーンラインを確保しつつ、装着が可能でした。さらにブレーキ側は、トルクロッドやブレーキロッドもそのまま。カラー以外は全くのポン付け純正流用が可能なのです!!

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【左】ホイールをセンターの位置にした状態で、ローターをキャリパーに挟んで、適正位置にすると左右カラーの寸法が出ます。また、ローターとホイールのマウントに使う、アダプターの寸法が算出できます。【右】しっかりとフロントフォークセンターにホイールセンターを合わせることに成功。アダプターの面も出ているようで、ブレーキの引きずりも無く、ホイールはスムーズに回転しました。

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