掲載日:2018年05月24日 メンテナンス
写真・文/モトメンテナンス編集部 記事提供/モトメンテナンス編集部
※この記事は『モトメンテナンス vol.129』に掲載された内容を再編集したものです
ボルトナットが緩んだ状態でもラチェットハンドルが使えるよう「空転トルク」の軽さにこだわる、ソケット工具専門メーカーの山下工業研究所=ko-ken(コーケン)。同社のZ-EAL(ジール)シリーズは、狭い場所でもハンドルを確実に振れる36歯ギアを内蔵するラチェットヘッドや、全長の短さを追求したスタンダードソケットなど、狭い空間での使い勝手の良さにこだわって開発された。
四角断面の凸と凹を組み合わせる差込部のガタを排除するため、ハンドル側の鋼球とソケット側の抉れからなる接合部も、互いに引き合うことでガッチリ組み合うように形状も見直した。その結果、全長の短いソケットをハンドルにはめると、サイズ変更の際にハンドルから外すのに苦心することもあるほど。しかしながらヘッドとラチェットギアのガタが少なく、さらに差込部とソケットのガタも少ないラチェットハンドルには曖昧さがなく、空転トルクの軽さと相まって正確で快適なメンテナンス作業を実践できる。
自らの手でバイクいじりを行う人の中には、ハンドルならハンドル、ソケットならソケットと必要に応じてアイテムを買い増ししている人もいるだろう。だがZ-EALには、1/4インチ、3/8インチ、1/2インチの差込角ごとに、一般的な作業で使用頻度の高い工具をまとめたセット工具がある。差込角ごとにセットが別々に存在するのは、それぞれの差込角に応じてソケットサイズの幅が異なるため。
狭い隙間の小さなボルトを回す際に重宝する1/4インチのソケットが4~14mmなのに対して、差込部の強度が高く大きなサイズのボルトに適した1/2インチのソケットは7~22mmと大きくなっている。ラチェットハンドルやスピンナハンドル、六角ソケットが整然と並ぶウレタンフォーム製トレイは工具の有無が瞬時に判別できる2トーンで、このトレイが収まるケースは金属製。3/8インチと1/2インチのセットには持ち運びにも便利なハンドルも付いている。
主にバイクのメンテナンスを行うには3/8インチを選べば幅広い作業でソケット工具の便利さを実感できるはず。一方すでに3/8インチのソケット工具を持っているなら、狭い場所でも周囲に干渉しづらい1/4インチのセットをお勧めしたい。ボルトナットのサイズが8、10、12、14mmであれば、コンパクトさが際立つ1/4インチソケットの優位性に満足することだろう。