掲載日:2018年05月29日 メンテナンス
文/丸山淳大 写真/モトメンテナンス編集部 記事提供/モトメンテナンス編集部
※この記事は『モトメンテナンス vol.128号付録・オートバイのメンテナンスをはじめる本 Vol.3』に掲載された内容を再編集したものです。
バイクを動かさずに3ヶ月保管するとなると、ガソリンの劣化、湿気による腐食、バッテリー電圧の低下は顕著になるため、それぞれ対策をしておきたい。
3ヶ月も屋根の無いところで雨ざらし保管すれば、一気にバイクはくたびれた印象になってしまうだろう。外装のペイントはツヤが失われてしまうし、簡単に磨いたり、ペイントしたりできないエンジンは腐食が始まると非常にやっかいだ。
もちろん劣化するのは外装だけに限らない。3ヶ月間に1度もバッテリー充電が行われなければ新車でもバッテリー上がりでエンジン始動できない可能性もある。バッテリーを交換するにも発生した錆を綺麗にするにも、お金も手間もかかるものだ。そうならないためにも保管前の手間を惜しまないようにしよう。
3ヶ月程度でガソリンが完全に腐ってしまうことはないが、明らかに劣化して燃えにくくなるので、始動性が悪くなったり、エンジンのパンチが無くなったりする。保管前の燃料に劣化防止剤を入れておくことで、ガソリンの腐食や劣化を防いで、再始動を容易にすることができる。デイトナの「MOTOREX フューエルスタビライザー」は、ガソリン12Lに1本の割合で混ぜて使用する。
キャブレターのフロートチャンバー内のガソリンも腐って劣化する。腐ったガソリンがキャブレター通路に回ると詰まりの原因になるので、ドレンからガソリンを抜き取っておく。ドレンが無い機種は、コックをオフにしてガス欠するまでエンジンをアイドリングさせても良い。キャブレターの経路が詰まると再始動時にオーバーホールが必要となってしまう。
地面からの湿気はバカにならない。また、車体の下側は耐久性のある塗装が行われていないケースがほとんどだ。長期保管時に車体の下回りのフレームやマフラー、スタンドなどが無残に腐食してしまうケースは非常に多いものだ。保管場所が舗装されていない場所ならば、地面からの湿気をガードするためにバイクの下にコンパネなどを敷いておけば、湿気をガードできる。さらにバイクカバーをかけておくことで、上からも地面からも愛車を護ることができるのだ。
バッテリー寿命を永くする秘訣は、常に満充電に近い状態を維持することである。バッテリーの端子を外しておいても自然放電していってしまうので、再始動時にはバッテリーが上がっていて使えなくなってしまっていることも多い。バッテリーを車体に搭載した状態でトリクル充電(維持充電)ができる充電器を繋いだ状態で保管しておくと良い。
愛車を売却して乗換しませんか?
2つの売却方法から選択可能!