掲載日:2010年06月14日 バイク用品インプレッション
ここ数年のバイク用電子機器の進化はめざましい。特にライダー同士で会話を楽しむためのインカムは驚くべきスピードで進歩している。最近の機種では、無線通信規格であるBluetoothを標準採用するものがほとんど。通話可能距離の延長や高音質化だけでなく、オーディオとの連携やナビゲーションの音声案内受信など多機能・高機能化が進んでいる。今回紹介する「スカラライダーG4」は、その中でも特にハイスペックなアイテムだ。
スカラライダーG4の最大の特徴は、最大1.6kmという圧倒的なライダー間の通話距離。これは現在販売されているインカム類でもトップクラスの数値だ。実際にテストしたところ、都市部のように見通し距離の短い場所ではスペックそのままというのは難しいようだが、それでも通話を保持できる距離は相当なもの。交差点を二つ離れてしまうような状況でも問題なく通話が可能だった。最大通信距離を実現できるのは、国内だと高速道路上や北海道などの広大な場所に限定されてしまうだろうが、混雑した都市部でもこれだけ長い距離で通話が楽しめるのであれば性能的には十分だと言えるだろう。また、スカラライダーG4は同社の下位モデルとも互換性を保っており、スカラライダーQ2・スカラライダーSoloともペアリングが可能というのもポイント。下位モデルに合わせた通話距離となってしまものの、すでに同社製品を所有している場合はこういった互換性の高さは嬉しい。なお、最大接続数はスカラライダーシリーズ同士で4台まで。その他の通話機能としては、スカラライダーG4同士で接続している際に携帯電話を含めた3者通話に対応。非常に充実した通話機能を備えていると言えるだろう。
もう一つの特徴は、FMラジオを内蔵していること。もちろん、装着したまま1ボタンでインカムからFMラジオへ切り替えが可能。ポータブルオーディオプレイヤーに対応するインカムは多いが、FMラジオを搭載しているモデルは珍しい。受信感度はカーオーディオなどに及ばないものの、実用性は高い。オートチューニングしかないため細かい周波数指定が難しいのはやや残念だが、プリセットも6局まで対応し1ボタンで検索可能。インカムと一体になっていることを考えれば利便性はかなり高いと感じた。
また、最近のインカムでは定番機能となった、Bluetooth機器との接続もサポート。ナビゲーションの案内音声受信、携帯電話での通話、ポータブルオーディオプレーヤーとも接続可能だ。BluetoothのプロファイルとしてA2DPとAVRCPに対応しているため、インカム側から機器の操作もできる。曲送りや携帯電話のリダイヤルといった機能も、ペアリングさえしてしまえばあとはインカム側でコントロール、操作はとても軽快だ。さらに、ボイスコネクト機能を搭載しており、携帯電話の着信時などはマイクに向かって大きな声を出すだけで通話状態がONになる。ハンドルから手を離す必要が無く、走行中でも安全に使用できるのも特徴だ。現在発売されているインカムの中でも、スカラライダーG4の機能性はトップクラスだ。ハイスペックなインカムで快適な通話を楽しみたいライダーに、是非おすすめしたい。
ヘルメットに取り付けても違和感が少ない薄型スピーカーと、ノイズキャンセル機能を備えた高性能マイクを採用。音質はクリアで疲れ難い。
スカラライダーG4はベース部分と本体で構成されている。充電する際はベースを取り付けたまま、本体だけを取り外すのがおすすめ。
ヘルメットへの取り付けは、ベース部分のクリップを使用する。クリップはネジ留め式なので外れにくい。別途貼り付け用ベースも使用できる。
Bluetoothのチャンネルが足りない、愛用のオーディオプレーヤーにワイヤレス機能が無いといった場合でもミニピンジャックで接続可能。
充電はミニUSBポートを使用するため、ACアダプターだけでなくPCからの充電もできる。また、PCを介した本体ソフトウェアのアップデートにも対応。
数多くの機能を持つスカラライダーだが、ボタン操作はいたってシンプル。通話距離を伸ばすアンテナもグローブをしたまま取り出せるようになっている。
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