掲載日:2010年06月07日 バイク用品インプレッション
ロードレースの最高峰MotoGPなどで“Xpd”のロゴを目にしたことがある方は多いだろう。Xpdはイタリアのヴィチェンツァ市を本拠地とするモータースポーツ用ブーツのメジャーブランドであり、その製品は極限の世界で戦い続けるトップライダーたちが愛用していることでも知られている。今回は、そのXpdブランドの中核をなすオンロード用レーシングブーツ「XP-3S」をテストした。
数多くの素材からなるパーツをパネル状に重ね合わせ、いかにも最新のレーシングブーツらしい佇まいを見せるXP-3S。好評だったXP-3の後継となるこのモデルの開発テーマは、プロテクション性能や快適性などの基本機能をより高めつつ、トップレベルの運動性を実現することであったという。その言葉どおり、各部を入念なプロテクションで武装するとともに複数のベンチレーションを装備。ブーツ後方に発生する負圧を利用して積極的に内部の換気を図る設計は最新のヘルメットと同様と言えるだろう。また、XP-3Sのメイン素材はリアルレザーではなく、「ロリカ」と呼ばれるシンセティックレザーを採用。そのため、これだけの装備を誇るブーツでありながら非常に軽量に仕上がっているのも特徴だ。
さて、肝心のXP-3Sの履き心地だが、それは実に快適なものであった。着脱はサイドジッパー式となっているが、伸縮性のあるシャーリングが施された開口部が大きく開くため非常に脱ぎ履きがしやすい。ロリカを採用しているため新品であっても履き慣れたブーツのように柔軟で、当然慣らしも不要。それでいて各部の硬質なプロテクションの感触が程よく残されており、ハイスピードで走行しても足元の安心感は絶大だ。また、少し速度を上げるとベンチレーションが積極的に仕事を開始、その効果は時として踵や足首の周辺に空気の流れを感じるほどだ。オートバイのライディングは非常に運動量の多いスポーツで季節によってはかなりの発汗を伴うが、これほどベンチレーションが効くのであれば集中力の維持にも非常に有効だと感じた。素材がシンセティックレザーということで蒸れを心配する方もいるかもしれないが、内張りは厚手で高品質のメッシュ素材となっており、この優秀なベンチレーションとの相乗効果により走行中の快適性はリアルレザーに勝るとも劣らない。激しい発汗や場合によっては雨にさらされることもあるレーシングブーツにおいて、ほぼメンテナンスフリーと言えるシンセティックレザーのメリットも見逃せないポイントだ。XP-3Sの価格は3万2,550円(税込)。決して安くはないが、これだけの安全性と快適性、そして高い運動性を実現しているのであれば、むしろリーズナブルだと言えるだろう。
何種類もの素材を組み合わせた最新のデザイン。メイン素材のロリカは高強度でありながら柔軟かつ軽量だ。汗や雨にも強い。
XP-3Sはステンレス製のトゥスライダーを標準装備。フルバンクも安心だ。オプションのダイヤモンド・ トゥスライダーも装着可能。
爪先や踵、脛部をはじめとして各部に強固なプロテクションを装備。トップライダーたちの愛用品と同等の安全性を確保している。
効率的なベンチレーションを各部に配置。ブーツ後方に発生する負圧を利用して強力に内部の換気を行う本格的な装備だ。
XP-3Sは非常に軽量で、しかも運動性が高い。爪先立ちや繊細なブレーキ操作、スピーディなシフトチェンジにも柔軟に追従する。
フラットなXP-3Sのソールだが、グリップ力は高い。ステップ先端にソールを当てる乗り方でも正確な足さばきが可能だ。
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