掲載日:2010年02月03日 バイク用品インプレッション
加速すべき場所では加速し、減速すべき場所では減速する。メリハリの効いたライディングはバイクを安全に楽しむうえでの基本でもある。しかし、そうした一連の流れのなかで運悪く標識などを見落とし、違反キップを切られてしまったという経験をお持ちの方も多いことだろう。ここでその是非について論じるつもりはないが、できれば取り締まりの状況を事前に察知したいという希望は多くのライダーがもっているのではないだろうか。
このような場合、いわゆる「レーダー探知機」を設置することが有効な手段となるが、従来のバイク用レーダー探知機は簡素なものが主流で、機能的に満足できる製品が非常に少なかった。しかし、バイク用品を幅広く取り扱うサインハウスが、4輪用レーダー探知機として高く評価されているユピテルのスーパーキャットをベースに、ついに防水仕様のバイク用高性能レーダー探知機「SH001R」を開発したという。その実力を検証すべく、早速テストを実施した。
サインハウスの製品らしくSH001Rには数多くの付属品が同梱され、設置は非常に簡単だ。車体から電源を確保する方法を決定したら、超小型のジャンクションユニットを中心に、液晶モニターやアンテナ、スピーカーなどを接続するだけ。各コード類は長めに設定されているので、大型のバイクでも各パーツの設置場所に困ることはないだろう。今回のテストでは、手元にあった汎用ステーを流用し、液晶モニターとアンテナをひとまとめにしてスポーツスターのハンドルに設置したが、サインハウス自慢の別売マウントシステムを利用すれば、さらにスッキリと設置できるはずだ。
SH001Rは各種レーダー波受信機能のほか、自車の位置を正確に把握できるGPSを内蔵しているのが特徴だ。そのためオービスをはじめとする各種取締り設備・機器との位置関係をモニター上に表示可能となっている。また、スーパーキャットがベースとなっているだけあって、ユピテルが運営する「ityクラブ」から最新のGPS情報をダウンロード、察知ターゲットの存在位置データを常に新鮮に保つことも可能だ(有料オプションサービス)。まさに4輪用レーダー探知機に匹敵する高性能・多機能ぶりと言えるだろう。実際にテストして、バイクにとって特に有効だと感じたのがカーロケーター無線(新型除く)の受信機能だ。通常のパトカーはもちろん、いわゆる「覆面パトカー」などが自車から近い位置に存在する場合、非常に目立つアニメーションと警告音声で知らせてくれるので、ライディングも自然と注意深くなる。そのほか、駐車禁止取り締まりの重点エリアや警察署、道の駅、パーキングエリア、有料駐車場の位置など、有益情報も数多く表示してくれるので、便利なことこの上ない。レーダー探知機というと「取り締まり逃れ」というイメージがつきまとうが、実際にテストしてみると、それが安全運転に必要な情報を提供してくれる情報機器の一種であることが実感できるはずだ。悪気はなくても、不注意でキップを切られてしまうことが多いライダーにはオススメのアイテムだと言えるだろう。
SH001Rの2.2インチiPS液晶ディスプレイ部とアンテナはIPX3相当の防滴仕様でバイクに対応。分離式なので工夫次第でスッキリとマウントできる。
SH001Rは付属の多機能リモコンで各種モードなどを設定可能。ほとんどの機能が自動的に起動するが、好みに合わせて使うことができる。
付属のコード類で電源確保も簡単。写真はバイクに設置したシガーライターソケットに接続した例。プラグにオンオフスイッチがあるのでとても便利だ。
SH001Rには各種配線を取りまとめるジャンクションユニットがあるので設置も簡単。ユニット自体が超小型なので取り付けスペースを選ばない。
全50種類の取締り機器に対応。写真ではループコイル式オービスを警告している。バイクにはあまり縁がないが、取締り状況を判断する材料にはなる。
付近の警察車両察知に威力を発揮するカーロケ受信機能も搭載。写真ではバス後方のパトカーとその前方のNシステムを同時に警告している。
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