掲載日:2009年10月26日 バイク用品インプレッション
都会で暮らすライダーを対象に、スクーター・ウェアとして開発された英国生まれのライディング・ウェア・ブランド『アルマジロ』は、プロテクターにハイテク素材を採用しつつ、カジュアルなスタイルを実現したウェアだ。
最大の特徴は「d3o:衝撃を受けて硬化する新素材」をプロテクターとして内蔵しているところ。普段は柔らかいゴムのような感触だが、強い衝撃が加わると一瞬にして硬化し、衝撃が消えるとまた柔軟性を取り戻すという不思議な素材だ。しかも衝撃の強さによって硬度も高まり、何度でも硬化と軟化を繰り返す。この新素材をライディング・ジャケットに世界で初めて採用したのが『アルマジロ』なのだ。
現在、いくつものライディング・ジャケットをラインナップするなかで、今回試用したのは『カモビジョン・ジャケット』というパーカ・タイプのジャケットだ。見た目にはとてもプロテクターを内蔵しているようには思えないが、手に持ってみるとズシリと重みを感じる。ところが袖を通せばその重量感はすっかり消え、肩と肘に内蔵されたd3oプロテクターからは、これまでにない不思議な“当たり心地”を感じる。ブ厚いゴムのようなもの、と言えば分かり易いだろうか。従来のプロテクターの多くは外側に硬質、内側に軟質の素材を組み合わせるのが一般的だが、d3oは全体が軟質で、なんだか違和感に似た存在感を覚える。実際のライディングでは、間接部の動きに応じてd3oプロテクターが自在にカタチを変え、動きが制限されることは無かった。バイク業界では新しい素材だが、スポーツ用品やその他いろいろな分野ではすでに実用化されているらしい。
柄モノとしては派手な部類に含まれるカモフラージュ・パターンだが、じつは1部の柄に反射素材を採用し、夜間の視認性を高めている。ブランドとしてはスクーター・ウェアと謳ってはいるものの、個人的には、モタードやビッグシングル、軽量ロードモデルなど、バイクをライフスタイル・ファッションとしても愉しむ一方、交通量や交差点の多い市街地をメインフィールドとして、アクティブに駆けるライダーにオススメのアイテムだと思う。
高過ぎず低過ぎず、キツくもなくユルくもない程よい感じのスタンドカラー(体格による)。肌に当たる裏生地にはフリース素材を採用。
袖口から侵入する冷たい走行風にはインナーリブで防御。素材は伸縮性のあるニット。手首まで包むグローブとの合わせ技で防寒効果アップ。
両袖・両脇にはジッパーで大きく開くベンチレーション装備。ウェア内部の保温保湿同様、換気も大事。汗ばむようではかえって冷える。
着脱可能なフード部分は、被ったときに頭頂部への負担が少ないカッティング。ドローコードで開口部の調整も可能。アウター素材は防水透湿(2,000mm/2,000mm)。
ジッパーで着脱可能のインナー素材には保温性の高いフリースを採用。ゆったりシルエットなので、寒さに応じてレイヤードも余裕。反面、走行風によるバタつきは否めない。
MP3プレーヤー用の小さなポケットと、コードの取り出し口も装備する。用途はライディングだけじゃないということの表れか。
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