掲載日:2014年05月14日 バイク用品インプレッション
撮影・文/山下 剛
ここ数年、バイク用品のなかでも著しい進化を遂げているひとつがブルートゥースインカムだ。黎明期から製品をリリースしているメーカーは熟成ともいえるほどの利便性と機能性を備えているし、新規参入メーカーは新たな機能を多く盛り込んだ意欲作をリリースして、まさに群雄割拠の様相を呈している。
そんなブルートゥースインカムのうち、今回紹介するのは2012年に日本上陸したアメリカのトップブランド『MIDLAND(ミッドランド)』のBT-Xシリーズの最新にしてトップエンドモデル『BT NEXT-C』だ。数多くの機能のうち、大きな特徴を列挙してみよう。
・6台同時接続(同時会話は4人まで)
・携帯電話を2台接続可能(2台目の接続はHSP/HFPプロファイルとなります)
・最大18時間連続再生可能バッテリー
・自動ボリューム調整機能(AGC)
・最長通話距離1,600m
・ユニバーサル通話機能
・外部入力端子装備
・FMラジオ装備(6ステーションメモリ機能)
もちろんこれらはNEXT-Cならではの機能を並べただけで、携帯電話、GPSナビ、MP3プレイヤーなどのブルートゥース機器とのペアリング、コンパクトなボディといった基本機能も充実している。
このうち、注目したいのは同時接続数、自動調整ボリューム、ユニバーサル通話機能だろう。
一般的にブルートゥースインカムは1対1での接続が基本だが、NEXT-Cではミッドランド製インカムを3台、他社製インカムを2台同時に接続することができる。ただしこの場合は『インカムモード』となり、希望の相手を呼び出しての1対1での通話となる。
多人数で同時に会話したいなら、『カンファレンスモード』を使うと4人同時に通話することができ、マスツーリングでも休憩のタイミングをばっちり合わせられる(この場合はミッドランド製インカムのみ対応)。もしもはぐれてしまってペアリングが切れた場合でもボタンを押すだけで復帰できるので安心だ。
自動調整ボリュームは、周辺の音だけではなく車速に応じて最適なボリューム値に自動調整する機能だ。ペアリング時にあらかじめ希望のボリュームにセットしておけば、高速道路に入って走行スピードが上がったときでも音声をしっかりと聞き取ることができる。もちろんボリュームボタンも装備しているので、好みに合わせることも可能だ。
ユニバーサル通話機能は、他社製インカムと接続することができるもので、仲間同士で気楽にブルートゥースインカムを使える画期的な機能だ。ただし接続は携帯電話扱いとなるため、1対1の通話となるインカムモードのみで使用可能となっている。制限はあるものの、あらためてメーカーを揃えるコストを考えれば利用価値は高いと言える。
仲間が複数メーカーのインカムを使っているといったケースに最適な機能を持つうえ、基本機能もかなり高い。ブルートゥースインカム導入を考えているなら、ぜひ一度試してみたい商品だ。
セット内容は本体、マイク(フルフェイス用、ジェット用各1機)、予備マイクスポンジ、ステレオスピーカー、取付ベース(クランプ、両面テープ各1個)、スピーカー取付用スポンジ、充電用ACアダプター(USB)、外部入力用ケーブル(ミニピンジャック)と必要十分。
手のひらサイズで軽量コンパクトな本体。操作系は表面に大きな3つのボタン(順送り・ミドルボタン・逆送り)と上部にボリュームアップとダウンの2つとシンプル。下部には端子類が並ぶ(ゴムカバーで保護)。
高速走行時の空力も考慮された極薄デザインはわずか18mm厚。バッテリーは連続通話18時間とたっぷりの大容量となっているだけでなく、オプションにはリモコンスイッチもあり手元で操作できるのも特徴だ。
本体上部には格納式のアンテナを備えている。アンテナを立たせると見通しのいい場所なら通話距離は最大1,600mとクラス最大級で、高速道路を使ったマスツーリングでも安心して使えるのがうれしい。
左からミニUSB、オーディオキット接続端子、外部入力端子。ミニUSBは充電とファームウェアアップデート用、オーディオキット端子はスピーカーとマイク、外部入力はミニジャック(φ2.5mm)でMP3プレイヤーなどを直接つなげられる。
オーディオキットはコネクターが設けられ、スピーカーはステレオとモノーラルどちらでも使える(赤いコネクター)。マイクにもコネクターがあり、フルフェイス用とジェット用を簡単に付け替えられる。
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