掲載日:2014年04月30日 バイク用品インプレッション
撮影・文/野岸 泰之
洋服や靴など、身につけるアイテムはピッタリのサイズに巡り合えればそれだけで嬉しいもの。バイク乗りにとってはヘルメットのフィッティングも同様で、自分の頭にピタリと合うものが見つかると、日々のライディングは楽しく、安全なものとなる。逆に、ちょうどいいサイズのヘルメットが見つからずに苦労している人が多いのもまた事実。特に体格のいい男性など、かなり大きなサイズが欲しい、と熱望しているライダーは多いはずだ。頭に合わないサイズのヘルメットを頭痛と戦いながら無理に被ったり、仕方なく半キャップを被って乗る人もいると聞く。
そんなヘルメット選びに苦労しているビッグサイズライダーの悩みをスッキリと解決してくれるのが、SPEEDPITのXX-606だ。これは、XXLという大きなサイズをリーズナブルな価格で実現したジェットヘルメットになる。
外観はきわめてシンプルなデザインのジェット型で、クリアのバブルタイプシールドが標準で付属する。見た目の大きさは、同じSPEEDPITのスモールジェットとそれほど変わらない。ところが、実際に被ってみると、比較のために借りたフリーサイズ(58~59cm)に比べて、62~64cmに対応するXXLサイズということで、当然ながら明らかに大きい。ふだんLサイズを被る筆者にはブカブカなので、大柄で頭の大きい友人に被ってもらったところ、「いつも被っているヘルメットは頬骨のところですでにきつく、頭を入れると鉢の部分が締め付けられてすぐにこめかみが痛くなるけど、このヘルメットは余裕があってとても楽です」とのこと。サイズの合わないヘルメットで頭痛に悩まされ、ツーリングも楽しめなかったが「これならロングツーリングでも大丈夫そう!」と目を輝かせていた。バブルシールドのおかげで視界も広く確保しつつ、息苦しさがないのも嬉しいポイントだという。
このXX-606は、サイズこそ大きいが、持ってみると意外と軽くてびっくりする。これは帽体にファイバーグラスの積層構造であるFRPを採用したためで、軽量化と高剛性を両立させている。安全性に関しても、全排気量で一般公道走行が可能なSG規格に適合しているため安心だ。XX-606は、ビッグサイズのライダーにとって、福音をもたらす救世主といえるかもしれない。自分の頭の大きさに合うヘルメットがなかなか見つからずに苦労していた人は、ぜひ手に取って試してみることをおすすめしたい。
左側が従来モデルのスモールジェット(フリーサイズ)で、右側がXX-606。XXLというビッグサイズを実現しながら、帽体のシルエットはスッキリまとまっているのがわかる。
専用のスペアシールドもリーズナブルな価格で用意されている。左は一般的なスモーク。右はクリアシールドにシルバーミラー加工を施したもので、夜間でも見やすいタイプだ。
従来製品の帽体がABS樹脂を使用していたのに対し、XX-606ではFRPを採用。これにより、帽体の大きさの割に軽量とすることに成功。実際、片手でヒョイっと持てるほど軽い。
あえてHALF MADと呼ぶ半光沢の塗装は、重厚でメタリックなイメージと高級感を同時に味わえる独特なものだ。カラーバリエーションとしては艶のあるブラックも用意されている。
あご紐には着脱が簡単なバックル式のワンタッチホルダーを採用。締めるときはバックルを差し込むだけ、ヘルメットを脱ぐ際には赤い部分を押すだけでロックが解除されるしくみ。
硬質ポリカーボネイトを使用したシールドはUVカット仕様で、紫外線を95%までカットする。素材自体が強いのに加え、ハードコーティングが施されており、傷がつきにくいタイプだ。
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