掲載日:2012年05月25日 バイク用品インプレッション
撮影・文/山下 剛
これからの季節、バイク乗りに欠かせないギアのひとつがレインウェアだ。とくに通勤や通学にバイクを利用している人にとって、レインウェアの性能はその日のコンディションを左右するだけに、いいものを選びたい。
レインウェアに求められるのは、撥水・防水性が筆頭なのはもちろんだが、梅雨時期でも気軽に羽織れることが大切だ。そのために欠かせないのが透湿性(内側から水分を逃がす性能)で、今回テストした「シンプソンレインスーツ」は、価格と性能のバランスが良いレインウェアだ。
耐水圧15,000mm、透湿性5,000g/m2/24hと、必要にして十分な防水透湿性を持っていることに加えて、なんといってもシンプソンブランドのレザージャケット同様のルックスをもったデザインが秀逸だ。シンプソンファンなら迷わず選びたくなるほどである。
肝心の着心地についても申し分ない。ジャケットの上からサッと着られるよう、パターンはゆとりあるサイズとなっているため、レインウェアにありがちな「着るのが面倒」ということがない。もちろん、腕や腰はサイズ調整可能なベルクロが装備されており、体にジャストフィットさせることができる。
パンツの裾は上下2段のベルクロによって幅を調整でき、ブーツ着用時でもサッと履ける。内側にはヒートガード、フラップには反射材を備え、今のレインウェアに求められる性能をきちんと満たしている。
収納時のサイズも小さく、トップケースを装備したバイクなら常時携行しても気にならないし、カバンへ入れておくにも邪魔にならない。とくにゲリラ豪雨がすっかりと定着した夏の都市部の移動には欠かせないアイテムだけに、このコンパクトさは重宝する。
胸と腕に大きくプリントされた「SIMPSON」のロゴは、同社製レザージャケットと同じデザインを踏襲。とかく地味なデザインが多いレインウェアにおいては突出したデザイン性だ。
ジッパーを覆うようにフラップが取り付けられているため、胸元からの浸水をシャットアウト。襟まわりも大きめにデザインされており、首まわりからの浸水もしっかりとガードする。
衣服との接触を軽減し、防水性を高めるメッシュインナーを採用。快適な着心地を実現しつつ、不要な浸水を防ぐ。雨中での数回の着脱でも着衣が濡れにくい。レインウェアの必須装備だ。
上腕部に設けられたフィッティングフラップはベルクロ式。とくに高速走行時のバタつきを抑えて、ライダーの疲労を軽減する。また、レインウェアの耐久性も高める効果もある。
上腕だけでなくウエスト部にもベルクロ式のフィッティングフラップを装備。フィット感を高めることで着心地と防水性をさらに高めている。フラップは大きくグローブ着用時でも扱いやすい。
エンジン熱からレインウェアを保護するヒートガードを備えている点もポイントだ。裾部はベルクロどめで大きく広がるので、シューズはもちろんブーツ着用時でもパンツの着脱は簡単である。