SIMPSON ダイアモンドバック

掲載日:2011年01月17日 バイク用品インプレッション    

バイク用品インプレッション

他に類を見ない特徴的なデザインと
マスクを付けたようなフィット感

ライダーに必須のヘルメットこそ、お気に入りのアイテムを選びたいところ。ところがバイクと違ってパーツや構造をカスタムすることは出来ないので、個性を表現しにくいのが実情だ。特にフルフェイスヘルメットとなると、どのブランドも形は酷似するため、ペイントで差をつけるのが関の山と言ったところだろうか。そんな中、個性的な形状により支持を得ているブランドの代表格といえばSIMPSONだろう。

バイクだけでなく4輪用ヘルメットも製作しているだけあって、帽体自体が様々な形状のタイプをリリースしているのが特徴的だ。今回ご紹介するダイアモンドバックもその例に違わず、特にシールドや口元の形状が独特なのだが、そもそもこのブランドのヘルメットは、万人受けするデザインではない。あご下の形状が特殊なため、置いてある状態のヘルメットの目線は上向きとなり、正直なところ少し不自然に感じてしまうのだ。しかしヘルメットとはインテリアではなく、ライダーが装着して初めて機能するもの。実際に装着すればその違和感は解消され、ライディングポジションをとるとさらに自然なものとなるのだ。その印象はより人間の顔に近く、帽子を被るというより、マスクを付けている感覚に近いと思わせるものがある。驚いたのは、実際に装着してみるとその印象が、なおさら強いものとなることだ。

その要因は驚くべきフィット感にある。国内メーカーの多くは57-58、59-60と2cm刻みでサイズ設定をしているが、この商品は57から62まで1cm刻みでラインナップしている。また形状記憶マットを採用した低反発素材のチークパッドは、ライダーの顔に合わせて変形してくれるのだが、これまでにない被り心地を実現していた。当然の話だが顔の凹凸は人によって異なる。そのため、少しでも形状が合わずに頬骨などがパッドに強く当たっていると、実際のライディングでは時間の経過と共にその部分だけに圧迫が蓄積され大きな疲労となってしまう。その点、低反発チークパッドは、被った直後はわずかな圧迫感を感じるもののすぐに自分の顔にフィットする。圧力が分散されて顔面全体でホールドしている感覚となり、大きな安心感を生みだすのだ。高速走行や長距離の連続走行後は、いつもより顔や首のツッパリが少なく感じるほどだった。

さらにベンチレーションによる通気性の確保や、内装の吸汗速乾素材クールマックスによりムレやベタつきなどの不快感を軽減しているなど、装着感へのこだわりに死角はない。ライダーの身体の一部となるようなコンセプトは、近年注目を集めているフィット性の高いスポーツ用インナーウェアを思わせる。シンプソンの中でも特にアクの強いデザインではあるが、驚くべき高機能は体験してみる価値が大きいだろう。

SIMPSON ダイアモンドバック Detail Check!!

シールドの開閉は、カチカチと動く一般的なラチェット式ではなく、回転軸で締め付けるフリーストップ式。開閉の途中でも角度の制限なく開度をホールドでき、動作もスムーズ。

フリーストップシールド

シールドの開閉は、カチカチと動く一般的なラチェット式ではなく、回転軸で締め付けるフリーストップ式。開閉の途中でも角度の制限なく開度をホールドでき、動作もスムーズ。

口元のベンチレーションに加え、額には開閉タイプの吸気口が設けられている。密閉度が高いが、これらのホールから外気が取り入れられ、走行中は圧迫感を感じない。

ベンチレーション

口元のベンチレーションに加え、額には開閉タイプの吸気口が設けられている。密閉度が高いが、これらのホールから外気が取り入れられ、走行中は圧迫感を感じない。

ヘルメット後方部には左右2ヶ所ずつの排気口が備えられている。口元と額部から取り入れた外気は、ヘルメットの内側を緩やかに流れ、このホールから排出される。

アウトレットホール

ヘルメット後方部には左右2ヶ所ずつの排気口が備えられている。口元と額部から取り入れた外気は、ヘルメットの内側を緩やかに流れ、このホールから排出される。

あご紐には一般的なDリングタイプを採用。下あごのベルトが当たる部分には、擦れないように柔らかいベルトカバーが備えられているため、長時間のライディングでも快適。

あご紐はDリング式

あご紐には一般的なDリングタイプを採用。下あごのベルトが当たる部分には、擦れないように柔らかいベルトカバーが備えられているため、長時間のライディングでも快適。

内装は吸汗速乾素材のクールマックスを採用。綿素材の5倍の速さで、ライダーの汗を吸収して蒸散させるため、ムレやベタつきを抑えると同時に、汗冷えを防いでいる。

快適なクールマックス内装

内装は吸汗速乾素材のクールマックスを採用。綿素材の5倍の速さで、ライダーの汗を吸収して蒸散させるため、ムレやベタつきを抑えると同時に、汗冷えを防いでいる。

チークパッドには形状記憶クッションの低反発マットを採用。顔の形に添って変形し、頬に当たる圧力を均等に分散することで、首や顔への疲労を軽減させる。

低反発のチークパッド

チークパッドには形状記憶クッションの低反発マットを採用。顔の形に添って変形し、頬に当たる圧力を均等に分散することで、首や顔への疲労を軽減させる。

SIMPSON ダイアモンドバック

価格/39,900円

問合せ先/NORIX

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