GIVIヘルメット X.07

掲載日:2012年03月16日 バイク用品インプレッション    

撮影・文/山下 剛

バイク用品インプレッション

イタリアンデザインのもうひとつの一面
それを感じ取れるGIVIヘルメット

イタリア物というとどうしても色気あるデザイン性に注目が集まりがちだが、その裏にしっかりとした堅実な性能を持っているものだ。そうした一面を追求した逸品も多いのがイタリアンアイテムだ。

今回テストしたGIVI(ジビ)のヘルメットもそのひとつだろう。トップケースやスクリーンで知られるイタリアのアクセサリーメーカーだが、昨今はヘルメットも輸入されるようになった。

X.07はデュアルバイザーを採用したジェットタイプヘルメットで、このバイザーシステムはヨーロッパではもはやスタンダードといっていいほど普及している。このデュアルバイザーシステムは、通常のシールドの内側にサンバイザーを内蔵しており、日差しの強い晴れた日の走行でトンネルに入った場合に威力を発揮するものだ。

サンバイザーの上げ下ろしは左側面に設けられたスライド式レバーで行う。フラッシュサーフェスされているためレバーの凹凸が小さいものの、冬物グローブをした手指でもしっかりと操作できた。

サンバイザーの遮光度合いはちょうどよい頃合いで、下ろしたままトンネルに入っても視界がまったくなくなることはない。照明やテールライトはもちろん、路面状態もなんとか確認できるレベルだ。もっともトンネルに入ってすぐにサンバイザーを格納できるよう、事前にある程度は慣れておいたほうが確実だろう。筆者の場合、信号待ちの間にカシャカシャと動かしているうちに慣れることができた。

クリアシールドの上げ下ろしはクリック感があり、操作感は良好。アゴ部までしっかりとシールドが下りてくるので、不快な風の巻き込みもない。今回はチェックできなかったが雨天時も役立つだろう。

気温の変化に対応できるベンチレーションも備え、内装も取り外しての洗濯が可能だ。使い勝手は上々で、とくに不満点はないだろう。アゴ紐はスノーボード用やオフロード用ブーツによく見られるバックル式で、すばやく着脱できる。外す際に引くリボンが赤くなっているので、万が一の事故の際に第三者がヘルメットを脱がせるときにもわかりやすい。

走行時の静粛性もなかなかのもので、高速巡航時でも常識的な速度域で走っていればかなり快適だ。ひとつだけ気になったのはヘルメットホルダーにロックするためのリングが設けられていないこと。これはヨーロッパでは盗難防止のために、下車中のヘルメットをトップケースなどに収納するスタイルが一般的なためか。

しかし総合してみれば使い勝手は良好で、価格とのバランスがとてもいいと感じる。ツーリングから街乗りまで幅広く使えるし、この春にヘルメットを新調したいと思っているライダーにはうってつけだろう。

GIVIヘルメット X.07 Detail Check!!

オフロード用ブーツ等に採用される物と同じバックル式のアゴ紐。クリック感があり微調整もしやすく、しかも素早く着脱できるのが利点。第三者が脱がす際には赤いリボンを引けばOKだ。

アゴ紐はバックル式で着脱簡単

オフロード用ブーツ等に採用される物と同じバックル式のアゴ紐。クリック感があり微調整もしやすく、しかも素早く着脱できるのが利点。第三者が脱がす際には赤いリボンを引けばOKだ。

シールドはアゴの下までをしっかりカバーする大きさ。走行時の不快な風の巻き込みもなく、高い防風性を持っている。シールドの上げ下ろしもクリック感がしっかりしていて操作しやすい。

防風性の高いシールド

シールドはアゴの下までをしっかりカバーする大きさ。走行時の不快な風の巻き込みもなく、高い防風性を持っている。シールドの上げ下ろしもクリック感がしっかりしていて操作しやすい。

ヘルメット内にフレッシュエアを採り込むベンチレーションは、頭頂部に2ヶ所設けられている。スライド式レバーで開閉できる。走行時の操作は慣れが必要。停車時に切り替えたい。

頭頂部にベンチレーションスイッチ

ヘルメット内にフレッシュエアを採り込むベンチレーションは、頭頂部に2ヶ所設けられている。スライド式レバーで開閉できる。走行時の操作は慣れが必要。停車時に切り替えたい。

走行時にも操作できるよう、サンバイザーの格納レバーはヘルメット左側面に設置される。冬物グローブでも軽い操作でサンバイザーを出し入れできる。2~3回操作するだけで慣れる。

サンバイザーのレバーは左側面

走行時にも操作できるよう、サンバイザーの格納レバーはヘルメット左側面に設置される。冬物グローブでも軽い操作でサンバイザーを出し入れできる。2~3回操作するだけで慣れる。

濃度は一般的なシールドのスモークくらい。個人差もあるが夜間やトンネルでの使用は控えたほうがいいだろう。もちろん、眼鏡を常用している人でもサンバイザーの上げ下げは問題ない。

使い勝手のいいサンバイザー

濃度は一般的なシールドのスモークくらい。個人差もあるが夜間やトンネルでの使用は控えたほうがいいだろう。もちろん、眼鏡を常用している人でもサンバイザーの上げ下げは問題ない。

ベージュ系の色彩でまとめられた内装はファション性も高く、クッションの具合も快適だ。汚れが目立ちやすいというデメリットもあるが、簡単に着脱できるのでマメに洗濯すれば問題ない。

取り外して洗濯できる内装

ベージュ系の色彩でまとめられた内装はファション性も高く、クッションの具合も快適だ。汚れが目立ちやすいというデメリットもあるが、簡単に着脱できるのでマメに洗濯すれば問題ない。

GIVIヘルメット X.07

価格/2万4,990円(税込)

問い合わせ先/デイトナ

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